点字絵本が異例の増刷 「こぐまちゃん」シリーズ
11月3日12時15分配信 産経新聞
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| 今回出版された絵本(写真:産経新聞) |
子熊が主人公のロングセラー絵本「しろくまちゃんのほっとけーき」(こぐま社)の点字版が、視覚障害のある子供以外にも「触れる絵本」として広がりを見せている。7月の初版6500部から今秋、異例の増刷(2000部)を果たした。透明樹脂を使い、文字上に点字を、絵の上に形が分かるよう凸凹が施された特別版。バリアフリー絵本で、晴眼の子供が触る楽しさや、目の不自由な人を思いやる機会をもたらしているようだ。
[フォト] 点字で描かれた「触れる絵本」
「しろくま−」は、同社のロングセラー「こぐまちゃんえほんシリーズ」(全15冊)最大の人気作。子熊の親子が台所に立ち、料理する様子が描かれている。ホットケーキが焼ける様子を「どろどろ」「ぷつぷつ」と表す擬音が楽しく、昭和47年の発行以来、208万部を売り上げた。
今回の特別版は、過去にも点字絵本を手がけた同社の関谷裕子専務が担当。点字絵本は点訳や製本に手間がかかるため、これまで1冊2000円から3000円と割高にならざるを得なかったが、今回は1枚の厚紙を折りたたむ手法で価格を1260円に抑え、書店の絵本コーナーに並べた。
すると特別版は、晴眼者にも「触れる絵本」として人気に。ホットケーキが焼けるまでを突起を増やすことで表現するなど、晴眼者から見た発見も多く、東京・銀座の教文館で開かれた点字絵本の催しでは完売した。読者カードでも「(晴眼の子が)不思議そうに目をつぶって触っていた」「(目の不自由な子が)晴眼の兄弟と並んで一緒に楽しんだ」といった意見が寄せられた。7割が晴眼の子供の親からだったという。
関谷さんは「小さいうちに立場が違う人の感じ方や、とらえ方に気付くきっかけになればいい」とこうした動きを歓迎。大阪で点字絵本を貸し出す「てんやく絵本 ふれあい文庫」の岩田美津子代表も「ロングセラー絵本の点字版は初めての試み。見える人も、絵本を触る楽しさを認識できる機会になればいい」と話す。
ただし、点字絵本のコスト面はなお最大の課題。関谷さんは「点字絵本と普通の絵本との差額を、助成する自治体もある。公的助成があれば、出版しやすくなる」と話している。(飯塚友子)
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最終更新:11月3日13時3分


