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南シナ海の領有権問題、今どうなってるの?

THE PAGE 2013/10/17(木) 12:36配信

 10月9日、10日と、東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議、さらにASEAN10カ国と日本、中国、米国など8カ国が集まる東アジア首脳会議がブルネイで開催されました。一連の会合で特に注目されたのが南シナ海の領有権問題で、この問題は今、アジアの大きな火種の一つになっています。【国際政治学者・六辻彰二】

7カ国・地域の主張が入り組む

 南シナ海での領有権問題は、関係国の多さもあって複雑です。北西部にあるパラセル諸島の領有を中国とベトナムが、そして南部にあるスプラトリー諸島の全て、あるいは一部の領有権を中国、マレーシア、フィリピン、ベトナム、ブルネイが、それぞれ主張。さらに、南シナ海南西方面にあるインドネシア領ナトゥナ諸島の排他的経済水域(EEZ)が、中国が南シナ海で設定したEEZと一部重複している他、台湾は中国とほぼ同様の主張をしています。

 これらの島や岩礁は面積も小さく、居住に適さないところがほとんどですが、領有権を確立すれば周辺EEZでの漁業権や海底資源の開発権を独占できるため、各国の利害が対立しているのです。一方、世界の海上貨物の約25パーセントがこの海域を通過するため、この摩擦は当事者でない国にとっても、シーレーン(通商・戦略的に重要な海上交通路)確保の観点から大きな問題です。日本の輸入原油も、約70パーセントがこの海域を経て運ばれています。

中国が7島を実効支配

 この海域の約8割の領有権を主張しているのが中国です。中国は現在、パラセル諸島の全てとスプラトリー諸島の7島を実効支配しています。さらに1992年以来、その領有権を国内法で明記してきた他、この海域に面する海南島の海軍基地に原子力潜水艦を配備するなど、南シナ海が「核心的利益」という立場を鮮明にしてきました。

 その中国との摩擦が、とりわけ増えているのが、フィリピンとベトナムです。今年1月、フィリピン政府は自らが領有権を主張するスカボロー礁に中国海軍が監視船を配備し、さらに建物の建設が始まったと批判。「外交的手段が尽きた」として、国際海洋法条約に基づいて仲裁裁判所に提訴しました。これに対して、中国政府はいまだ応じていません。また、今年3月にはパラセル諸島海域でベトナム漁船が中国海軍の艦船から銃撃され、ベトナム政府がこれに強く抗議しています。

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最終更新:7/21(木) 17:33

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