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メディアが政権批判を「自粛する構図」に危機感 古賀茂明氏や今井一氏らが会見

THE PAGE 2015年2月25日(水)20時0分配信

 「イスラム国」による日本人拘束事件以降、政権批判を自粛する空気が広がっているとして、今月9日に声明を発表した言論人、ジャーナリストらが25日、東京の外国特派員協会で会見を行い、メディアが自粛・萎縮する現状に危機感を示した。

【アーカイブ動画】「人質事件後のメディアの自粛について」古賀茂明氏ら会見

動画URL:https://www.youtube.com/watch?v=iQA3y--lnRA

 会見には、この声明に賛同した劇作家の平田オリザ氏、元通産省官僚の古賀茂明氏、パロディー作家のマッド・アマノ氏、小説家の中沢けい氏、ジャーナリストの今井一(はじめ)氏の5人が参加した。今井氏によると、声明は現在約2500人の言論人らが賛同しているという。

 古賀氏は「日本の報道は機能を失いつつある。現在は(戦前の)治安維持法はないが、非公式な形で報道の機能喪失がかなり進んでいる」との認識を示した。報道が機能を失うと「独裁と戦争につながる」ことが過去の教訓だと語り、その過程を「ホップ・ステップ・ジャンプ」で表現すると、現在の日本は2段階目の「ステップ」だという。

 古賀氏の説明によると、「ホップ」は、政府側からマスコミに対して圧力をかけたり懐柔したりして、政府に都合のいいことを書かせたり、都合の悪いことを書かせないようにする段階。次の「ステップ」では、今度は、政府の介入に慣らされたマスコミの方がトラブルを避けて「自粛」してしまう。古賀氏は、これが進むと正しい情報が国民に伝わらず、適切な判断ができなくなってしまうと懸念する。そして、来年の参院選の結果次第では、最後の段階に至るのも「そう遠くはないという印象」という。

 特にいまのマスコミの特徴として、「各社のトップが安倍政権にすり寄っている。これは過去の状況に比べると珍しい」と指摘した。

 会社トップが「安倍内閣支持」と明確になっていると、下の役員らは政権批判を控えたいと考える。そうなると記者らは、今までは政権からクレームが来ても「無視する」という対応ができたが、「上から怒られる」ということになる。トップが政権支持だと下は「戦おうとしても戦えない状況」になるという。

 古賀氏は、自身が4月以降“出演禁止”となったテレビ朝日系の「報道ステーション」の事例も持ち出し、「報ステでも私が『アイ・アム・ノット・アベ』と言うと、プロデューサーが政治部長らに呼ばれて吊るし上げられる」と語った。

 メディアの萎縮は政権の圧力によるものだけではないという見方も出た。中沢氏は、萎縮の原因として「ネットユーザーからの圧力も関わっていると思う」との見解を述べた。例として、「ネット右翼」が企業などに電話したりする事例を挙げ、こうしたネット発の行動がメディアへの圧力になっているとした。

最終更新:2月12日(金)2時32分

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