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なぜ、こんなに高いの? 軽自動車が200万円もする理由

THE PAGE 2015年3月25日(水)7時0分配信

 このところ価格の高い軽自動車が目立っています。中には200万円近くするモデルもあるのですが、自動車市場に何が起こっているのでしょうか。

 昨年12月に発売されたダイハツの軽自動車「ムーヴ」の最上級グレードは180万円近い価格設定となっており、市場ではちょっとした話題となりました。同時期に発売となったホンダの「N-BOX SLASH」も最上位モデルでは190万円という価格設定です。ひと昔前までは、1.5Lクラスの価格が150万円程度、軽自動車は100万円程度で買えるという感覚でしたから、自動車の価格が上がったという印象を持っている人は少なくないでしょう。もちろん現在でも100万円クラスの軽自動車は存在しますが、売れ筋商品の価格帯は上昇したと考えた方が自然です。

 高価格帯の軽自動車が出てくる背景には、国内における自動車販売市場の構造変化があります。日本はデフレが続いてきたことから、消費者の購買力は低下する一方です。コストの安い軽自動車への需要は年々高まっています。いまや軽自動車は主力商品となっており、新車販売台数のうち軽自動車が占める割合は4割に達します。しかしメーカー側としては、単価の安い商品ばかりを売っていると売上げが伸びません。必然的に高機能な軽自動車をラインナップに揃え、単価を維持しようとするわけです。

 日本国内だけを見ているとピンときませんが、自動車の価格が上昇することはグローバルに見れば当然のことです。ここ10年で日本以外の先進国はGDPの規模を1.5倍程度に拡大させています。経済成長すれば自然と価格は上がってきますから、自動車の販売価格も同じように上昇するわけです。米国における新車の平均販売価格はここ10年で1割近く上がりました。

 一方、日本は同じ期間で経済がゼロ成長ですから、国内の物価も横ばいでした。物価が変わらないので自動車の価格も据え置けばよいのかというとそうはいきません。自動車産業は典型的なグローバル産業ですから、どこでクルマを作ってもコストは同じになります。同じ利益を出すためには、グローバルな趨勢に合わせて販売価格を引き上げざるを得ません。

 同一車種について、米国で買うと200万円、日本で買うと150万円という価格設定にはできないのです(規制の問題などで一部には価格差が生じていますが)。トヨタ自動車全体の平均販売価格はここ10年で1割上がっており、米国の新車販売価格の上昇分とほぼ一致します。そうなってくると、日本人が買える車のグレードは当然下がることになり、軽自動車に人気が集まるわけです。

 もっとも根本的な要因として購買力の弱体化がありますから、軽自動車の高級化にも限界があります。経済が成長しないことには、購入できるクルマのグレードは下がる一方かもしれません。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:1月31日(日)2時43分

THE PAGE

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