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朝日新聞、とうとう給与削減? 高すぎる人件費に経営は大丈夫か

THE PAGE 2月3日(水)7時0分配信

 朝日新聞が従業員の給与削減に乗り出したと報道されています。新聞の部数減少に歯止めがかからず、収益を改善することが目的ですが、朝日新聞の経営は大丈夫なのでしょうか。

新聞は生き残れるのか? 新聞社経営の実態は?

 朝日新聞は、従軍慰安婦報道などで批判を浴び、読者離れが進んだといわれています。2011年3月期には約780万部だった販売部数は、年10万部のペースで減っていました。しかし、報道に対する批判が集中した2014年から2015年にかけては、60万部も減少する結果となり、現在は約680万部となっています。

 新聞社の経営は、部数に応じた販売代金に加えて企業からの広告収入で成り立っています。部数が減ってしまうと、広告の価値も減少してしまいますから、新聞社にとってはダブルパンチとなってしまいます。部数が減っているのは新聞業界全体の傾向ですので、朝日新聞に限った話ではありませんが、一連の批判がより多くの部数減少につながった可能性は否定できないでしょう。

 部数の減少に応じて、収益も悪化していますが、朝日新聞はもともと高収益体質ですので、すぐに経営が傾くような状況ではありません。2014年3月期の売上高は約4700億円、経常利益は約170億円でしたが、2015年3月期には売上高が約4400億円、経常利益は約130億円と減収減益となっています。売上高経常利益率は約3%となり、上場企業の平均値を下回りますが、問題のある水準ではありません。

 朝日新聞がそれでも給与の引き下げを実施するのは、人件費の比率が高いからです。朝日新聞には現在、約4000人の社員がいますが、平均給与は何と1200万円を超えています。人件費は年間500億円に達しており、これを削減すれば財政状況はかなり好転します。

 報道によると、2017年4月以降、段階的に削減を実施し、平均年収を1100万円程度まで引き下げるとのことです。また40歳以上を対象とした早期退職プログラムを用意することで、社員の数も減らします。

 朝日新聞は築地や銀座など都心の超一等地に多数の不動産を保有していることで知られており、自己資本比率は60%近くに達するなど財務体質は盤石です。しかも同社には1800億円もの運用資金があり、大規模投資ファンド顔負けの規模を誇っています。銀行からの借り入れもほとんどなく、実質、無借金経営ですが、唯一の負債となっているのが、退職給付負債です。人件費の多さが同社にとって最大の課題であることがよく分かります。

 同社が人件費の削減に成功し、経営体質がスリム化すれば、不動産収入と組み合わせることで、十分に経営を成り立たせることが可能です。高い収益力を維持できるのかは、一連のリストラがうまくいくのかにかかっているでしょう。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2月3日(水)12時58分

THE PAGE

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