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「アニメ・映画を、キライになる覚悟はありますか」大手声優事務所がマネジャー募集で厳しい言葉を投げかけた理由

東スポWeb 3月4日(金)18時10分配信

「アニメ・映画を、キライになる覚悟はありますか」――。転職サイト「エン転職」に掲載されている声優事務所「81プロデュース」のマネジャー募集のキャッチコピーがアニメファンの間で話題となっている。転職を志す人間に冷や水をかけるような厳しい言葉をなぜ、あえて投げかけたのか。同社の執行役員、営業部統括役員・百田英生氏に話を聞いた。


「81プロデュース」はアニメや外国映画の吹き替え、テレビ番組のナレーションなど、さまざまなシーンで活躍する声優を抱える大手声優事務所。現在は千葉繁、三木眞一郎、高山みなみ、大久保瑠美ら数多くの声優が所属し「i☆Ris」「Wake Up,Girls!」といった声優アイドルグループも手がけている。

 就職希望者にはアニメや声優に興味のある人間が多いと予想されるが、募集には前掲のキャッチコピーのほか「『憧れの声優さんと、一緒に仕事ができる!』そのテンションは、最初のひと月で霧散してしまうでしょう」「何人もの声優のサポートをする仕事は激務」と志望者に冷や水をかけるような言葉が並ぶ。会社で働くメリットをまず語る求人募集の中では異例だ。

 百田氏は募集の文章について「本来マネジャーの仕事は厳しく、ハード。昨今の声優ブームに乗って、声優のマネジャーも人気の職種になりつつあることはうれしいことですが、マネジャーの仕事の本質的な魅力に気づいた方、気づける方を求めているので、厳しく、ハードなことは覚悟してトライしてほしいと思い、このような内容にしました」とあえて厳しい言葉を使ったと説明する。

 休日であっても周囲にはアニメ、ゲーム、映画の情報があふれ、気が休まらなかった経験を百田氏自身も持つ。

「好きなことを一回嫌いになっても、仕事の本質的な魅力に気づいたときに、さらに作品やコンテンツや、もちろん声優が大好きになっていることが、この仕事のやりがいです」と、苦労を乗り越えた先のマネジャーとしてのやりがいを目指してほしいと語る。

 近年は声優やアニメ人気の後押しもあり、声優マネジャーへの応募も増加。今回の募集の反応も良好。応募者はアニメや声優のファンであることが多い。

 百田氏はアニメや声優のファンであることは一つの強みであると前置きしつつ「単なるファン意識で、声優さんのおそばにいるだけでよいと考えている方は向いていないです」とばっさり斬った。

 ファンだけで終わる人間はいらない。これは声優のマネジャーに限らず、もともと自分が好きだったものに関わる仕事をしている人間ならば納得するものだろう。

 最後に声優のマネジャーに求められるものを聞いた。

「理想のタイプは、コミュニケーション能力にたけていて、人のために自己犠牲の精神を持ちながら、楽しみをもって仕事ができる方。タフな心と体の持ち主。声優を売り込む前に、まず、マネジャー自身が売れていないと声もかからないと思っているので、人を引きつける魅力のある方です」(百田氏)

 声優という「人」を扱う仕事だけにやはり人間力が問われるようだ。

最終更新:3月4日(金)18時59分

東スポWeb