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【なでしこジャパン】五輪出場逃し改めて問われる国民栄誉賞のあり方

東スポWeb 3月8日(火)16時46分配信

 なでしこジャパンが五輪出場を逃したことで、今後の国民栄誉賞の選考にも影響が出る可能性が大きい。

 2011年7月、ドイツ女子W杯で初優勝を果たしたなでしこには、帰国後の翌8月、チームとして国民栄誉賞が贈られた。東日本大震災で落ち込んでいた日本をその活躍で一気にもり立てたイレブンには、日本中から最大の賛辞が贈られる一方で、国民栄誉賞は当時の政権による政治利用ではないかという指摘も多く上がった。

 当時の菅直人内閣には震災や原発事故への対応を巡って不満が噴出しており、与野党から退陣要求を突きつけられていた。そんな中での授賞だっただけに「安易な人気取り」「最後の悪あがき」などと批判を受けた。

「いくら快挙だからといって、過去に例のなかった『団体』への授賞は、強引と言わざるを得なかった。対象が今後も戦いを続けていかなければいけない現役の選手たちであることに、もっと配慮すべきだった」(政府関係者)

 同様の批判は、00年にシドニー五輪女子マラソンで金メダルを獲得した高橋尚子氏(43)への授賞でも上がった。高橋氏の時も当時の森喜朗内閣は森氏の「無党派層は寝ていてくれればいい」発言などで支持率が低下。国民的英雄への擦り寄りは露骨な支持率浮揚策とやゆされた。また12年の野田佳彦政権の時にも世界大会13連覇を成し遂げたレスリングの吉田沙保里(33)に国民栄誉賞が贈られた。

 過去には現役時代の福本豊氏(68)やイチロー(42)などが受賞を辞退したとはいえ、政権からプレッシャーをかけられれば、多くの人は断りにくい。

「現役の個人アスリートに賞を贈るだけでも、慎重にならなければいけないのに、チーム全体に簡単に与えてしまうのは、あまりに軽率だった。安易な授賞は歴代の受賞者の価値をおとしめる結果にもなりかねない。ただでさえ人気取りと批判される国民栄誉賞だけに、今後の選考がさらに厳しくなるのは間違いない」(前出の関係者)

 明確な選考基準がないことで知られる国民栄誉賞だが、くしくも今回のなでしこの事態が問題に一石を投じることになりそうだ。

最終更新:3月8日(火)17時56分

東スポWeb