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【プレイ動画追加】『マフィア III』2Kの超大作を“世界最速プレイ” オープンワールドで展開されるシリアスで重厚なストーリーは圧巻

ファミ通.com 9月6日(火)23時51分配信

文・取材・撮影:編集部 工藤エイム

●プレスツアーで判明した新情報をチェック
 2Kのオープンワールドクライムアクションアドベンチャー『Mafia』シリーズの最新作『マフィア III』(対応プラットフォームはプレイステーション4、Xbox One、PC)。2016年4月13日~14日(現地時間)、アメリカ・サンフランシスコにて行われた『マフィア III』プレスツアーに参加してきたので、その模様をお伝えしよう。

 『マフィア III』の特徴は、オープンワールドの世界で描かれる犯罪劇で、初代『Mafia: The City of Lost Heaven』では1930年代、『Mafia II』では1940~50年代のアメリカを舞台にマフィアの成り上がる様を描く、シリアスなストーリーが上げられる。当時のアメリカ社会や街並みや時代を象徴するクラシックカーやファッション、音楽が忠実に再現されている世界観、そして奥深い重厚なストーリーは多くの評価を得ており、新設されたスタジオ“Hangar 13”による本作の仕上がりはシリーズファンだけでなく、多くのゲーマーが気になるタイトルだろう。

 今回のプレスツアーは、いきなりハンズオン(試遊)、発売元である2Kの新しい開発スタジオ“Hangar 13”のスタジオツアー、そしてHangar 13開発スタジオ代表兼クリエイティブディレクター ハーデン・ブラックマン氏らによるとプレゼンとインタビューという、短いスケジュールながら盛りだくさんの内容だ。ファミ通編集部は朝一番にハンズオンが組まれていたため、おそらく世界で一番最初にプレイした外部者とのこと! 世界が注目する大作を一番にプレイできた嬉しさと、ここで得た膨大な新情報と本作の素晴らしさに、取材中は終始開いた口がふさがらない状態だった。本稿ではそんな今回のプレスツアーの一部をリポートするので、少しでも本作の世界観が感じられれば幸いだ。

 まずは本作の概要と舞台について。舞台となるのは1968年のニューオリンズをモチーフとした架空の都市“ニューボルドー”。主人公のリンカーン・クレイは、幼いころに両親を失っており、家と居場所を求めていた彼にとって黒人ギャング団が彼の“家族”に近いものだった。ベトナム帰還兵と従軍後、故郷のニューボルドーへ帰還したリンカーンは、悪事に明け暮れた過去と決別すべく新たな道を歩もうとしていた。しかし、彼のファミリーであった黒人ギャング団がイタリアンマフィアの裏切りに遭い、壊滅。なんとか生き残ったクレイだったが、親、兄弟ともいえる存在を失ってしまい、復讐を誓うのだ。そのためには、敵を倒し街を支配するために、新たなファミリーを築き、頼もしい配下を増やして戦場仕込みの容赦ない攻撃で報復を遂げていくことになる……というのが、本作のストーリーラインとなる。ギャング・マフィア系映画が好きな人なら絶対に遊んでほしい内容だ。それでなくとも、オープンワールドの世界で展開されるストーリーは、ストーリーを重視するプレイヤーやRPGが好きな人にもぜひお勧めしたいところ。

 ハンズオンでは、リンカーンがベトナム戦争で出会った友人で元CIAの“ジョン・ドノバン”との会話によるカットシーンからスタート。今回はジョンからダウンタウンエリアを統括しているイタリアンマフィアの情報を仕入れ、殲滅し、エリアを自分の統治下にすることが大まかな目的だ。

 最新技術で描かれるニューオリンズをモチーフとした架空の都市“ニューボルドー”には9つのエリアがあるが、今回はそのなかの“ダウンタウン”でいくつかのミッションをプレイできた。1968年のアメリカ南部の雰囲気を漂わせるニューボルドーは、建物やすれ違う人々、クラシックカー、バーから聞こえる当時を代表する音楽が没入感を高めてくれる。クルマのラジオから聴ける楽曲も、「The Animals」や「The Rolling Stones」などが手掛ける当時を代表する名曲が流れ、聞き覚えのある曲がさらに当時の雰囲気をかもし出しているのだ(もちろん、記者は1968年の雰囲気を知らないですけどね)。ただ歩いているだけでもかなりワクワクするこの街並みは、架空の都市とはいえやたらと真実味があり、1968年の混乱・革命で荒れていたアメリカの暗い雰囲気(※)が感じられるようなリアリティーに溢れていた印象だ。
※1968年のアメリカは、アフリカ系アメリカ人公民権運動の指導者として活動したキング牧師の暗殺、黒人によるデモや、当時の大統領の弟“ロバート・ケネディ”が暗殺されたりと、アメリカ史上もっとも騒乱に満ちた時代である。

 なおこのオープンワールドは、開発スタジオ“Hangar 13”による内製エンジンを使っており、ライティング、高いストリーミング(データを受信しながら同時に再生を行う方式)テクノロジーによるロード時間の短縮など、サードパーティーのエンジンでは成し得ないものだそうだ。

 さて、カットシーンが終わりいよいよプレイへ。マップを開き、先ほど入手した情報からミッションがいくつか選択できるようになっている。それぞれのミッションには“ダメージリメイニング”と呼ばれる数値が設定されており、物語の核心を突くメインストーリーのミッションを選択するには、ミッションをこなして“ダメージリメイニング”を0にすることが必要になっていた。まずは比較的簡単そうなミッションを選択。少し離れた場所がミッションエリアとなっているため、ここで本作の特徴のひとつである“サービス”をつかって、クルマを呼び出してみることに。
 この“サービス”とは、リンカーンが築いたファミリーに所属する3人の幹部“腹心の部下”が提供するもの。アフロヘアーのハイチ系女ボス カサンドラは武器、アイルランド系ギャングのバークは通信妨害、そして前作『Mafia II』の主人公だったヴィトは増援を用意しており、必要に応じていつでも利用できるようだ。

 『マフィア III』で使われている内製エンジンはフィジックス(物理エンジン)にも力を入れており、運転で体感するクルマ自体の“重さ”も、忠実にシミュレーションされているとのこと。カーレース系が超ド下手な筆者はすこし慣れるまでに時間がかかり、対向車に追突したり何人も轢いてしまったが、慣れてしまうとスピードや臨場感、街を眺めながらのドライブを楽しめると実感した。

 また先述したとおり、武器もサービスを利用して調達できる。武器サービスを選択すると、多数の武器を載せたクルマが到着し、そこで気に入った武器をお金で買って揃えていくといった仕組みだ。武器にはアサルトライフルやショットガンのほかにも、火炎瓶などが用意されており、それらをうまく組み合わせて使えば、敵を一網打尽にできるのかもしれない。

 さて目的地につくと、なにやら如何わしい会合を行っている人々を発見。ビル裏の比較的狭い場所で、屋上には見張りと思われるギャングの姿もあり、リンカーンひとりに対して敵は10人くらいと、数や立地からでは状況はこちらが劣勢だ。
 ここで彼らをせん滅するのだが、正面から突っ込むほかにも、ビルの屋上や裏口にいるギャングの背後に回って、ステルスプレイで倒していくことも可能なのが本作の特徴である。ただ力だけでねじ伏せるのではなく戦略を練ってのプレイもできるので、相当深みのあるゲームプレイが満喫できるといった具合だ。前作から大幅に遊びの幅が広がっており、ストーリー以外にも楽しめる要素がとても増えていると感じた。
 幅広い選択肢があるので、今回は正面からではなく、屋上にいる偵察者の背後へ近付きステルスプレイで敵をひとりずつ仕留め、屋上からの射撃ポイントを確保。地上にいる敵の中には増援を呼べる通信機器を使う者もいるので、まずはその敵をアサルトライフルで排除し、激しい銃撃戦へ。こちらは屋上から敵が丸見えなので、難なくクリアー。ミッションエリアには、敵の所有する重火器やトラックを爆破することで、さらにダメージリメイニングを減らせるのも確認できた。

 このようにミッションではさまざまなアプローチ方法があるので、地形や敵の数・配置などの状況に応じて攻略方法を変えていくのが、クリアーへの鍵となりそうだ。

 続いて別のミッションを選択すると、エリアにいる敵から情報を聞き出せとのこと。サービスでクルマを手配してもらいミッションエリアへ向かうと、先ほどとは一転して開けた場所でなにやらギャングどうしがもめている様子。もちろんその場にいるギャングは敵なので、見つかったら即銃撃戦に発展する。しかし敵の重要人物から情報を聞き出さないといけないので、殺害してはいけないとのこと……。そこで、情報を持っている重要人物は脚を撃って行動不能にし、そのほかの雑魚は排除することにした。
 雑魚を倒し、重要人物から情報を聞き出すと、今度は重要人物に対して「逃がすか」、「殺すか」という究極の選択を迫られる。この選択肢によってその後のストーリーラインにどのような変化が見られるかは今回は確認できなかったが、選択肢によって変化する物語構造の組み合わせによって、街そのものの様相が変化していくそうだ。

 先ほどのミッションで敵から入手した情報をもとに、マフィアと建設会社がなにやら怪しい動きをしていることを突き止めたリンカーン。アジトのひとつ“ハイドアウト”を突き止め、侵入することに。“ハイドアウト”はビルの建設現場のような場所で場所も広く敵も多い超危険エリア。リンカーンひとりでは心細いので、ここでヴィトが提供するサービスを利用して3人のギャングを援護として呼び、正面突破することに。援護は死んでしまっても再度サービスを使って手配できるので、積極的に使っていくのがいいだろう。

 建設現場でのミッションを終えると、敵のボスに関するカットシーンへ。そしてボスがいるホテルの場所を突き止めたリンカーンは、またしてもアジトとなるオフィスへ潜入を試みることになる。オフィスへの侵入方法は、エントランスからアプローチする方法と、地下駐車場からステルスプレイで偵察を排除し、気付かれないように侵入する2種類があるようだ。今回は時間の都合上、エントランスから正面突破したため、エントランスでいきなり銃撃戦が始まるハードな展開に。エレベータにのって目的の階層へ着くと敵が待ち構えており、ここでも初っ端激しい銃撃戦が展開される。狭い屋内での戦闘では、机などの遮蔽物に隠れながら(カバーリングしたまま)、銃身だけをだして制圧射撃をしたり、素手で敵の息の根をとめる豪快なプレイも楽しめた。もちろん、何度か死にかけたが、いくつかの部屋にはヘルスパックがおいてあるので、それらも積極的に使えばゲームオーバーになることはないだろう。
 激しい屋内戦を終えてボスの元にたどり着くリンカーン。ネタバレになるので詳しいことは言えないが、衝撃の結末が待っている。ここまでプレイして、いつのまにかひとつの映画作品のような重めのストーリーに引き込まれ、没頭している自分がいたのを覚えている。

 という訳で“ダウンタウン”エリアのボスを倒し、エリアの支配権を手に入れたリンカーン。今回は数多く用意されているミッションの中から要所を押さえたミッションをこなしていくだけだったが、たった1時間半のプレイでも映画のようなカットシーンやストーリーテリングはとても印象に残っている。本作は“ストーリーに重きを置いている”と実感できる内容であった。

 さてプレイの最後には、3人の腹心の部下の誰にダウンタウンを管理させるか選択するシーンへ。ここでは誰にエリアを管理させるか(報酬を渡すか)によって、受けられるサービスの変化(グレードアップ)や態度が変化する。さらに腹心の心理状況によっては、今後のストーリーも変化するので、慎重に判断しないといけない。
 今回はカサンドラにダウンタウンの管理を任せることを決定すると、ヴィトとバークはめちゃくちゃ怒り狂う始末に(笑)。文句を言うヴィトとバークにリンカーンが「気に入らないなら、ファミリーから出て行け!」と捨て台詞を吐き、ハンズオンは終了した。もちろん、平等に報酬を分け与えることもできるし、誰かひとりだけに報酬を与え続けることもできる。そのさじ加減によってゲームのストーリーは変わってくるとのことで、プレイヤーは彼ら3人とどう向き合っていくのかという点も楽しめるという訳である。

 自分なりのやりかたでファミリーを拡大し、腹心のだれに報いていくのか。プレイスタイルの向上もさることながら、作りこまれたストーリーテリングはとても期待できる内容だった。週刊ファミ通(5月12日発売号)では、Hangar 13開発スタジオ代表のハーデン・ブラックマン氏、エグゼクティブ・プロデューサーのアンドリュー・ウィルソン氏、そしてリードライターのウィリアム・ハームス氏のインタビューを掲載予定。ぜひそちらも併せてチェックしてほしい。

●開発のキーマンが語る本作の詳細な内容
 プレスツアーの2日目となる14日には、カリフォルニア州・ノバトにある2K GAMESのスタジオでプレゼンとスタジオツアーが実施された。ここでは、プレゼンテーションの内容をお届けする。

 まず、各国メディアが通されたのは2Kスタジオ内にあるシアタールーム。ここで、Hanger13 代表のハーデン・ブラックマン氏、Hanger13開発スタジオエグゼクティブ・プロデューサーのアンドリュー・ウィルソン氏、そして本作のリードライターであるウィリアム・ハームス氏によるプレゼンテーションが実施された。ここでは、その要点をまとめて紹介しよう。

●新スタジオ“Hanger13”の立ち上げについて
 ブラックマン氏によると、新スタジオ立ち上げにあたって念頭にあったのは、「ユーザーが自分の選択で進めていけるゲームを作りたかった」との思い。立ち上げ時は制作するゲームは決まっていなかったが、“Every Player Story is Unique(すべてのプレイヤーのストーリーはユニーク)”がスタジオのモットーとしてあったらしい。
 Hanger13の“社員第一号”であるブラックマン氏。スタッフとしては、前作の『Mafia II』を制作したIllusion Softworks(後に2K Czechに改組)のクリエイターに加えて、ほか開発会社、さらには氏が以前所属していたルーカスアーツなどからもスタッフを起用して、人員を揃えていったとのことだ。
 “Hanger13”という社名の由来も気になるところだが、スタジオの名前については、たくさんの候補があったが、あえてミステリアスな雰囲気を出したかったとのこと。“Hanger13”は存在しない架空の存在(建物)ゆえ、発表時に「13個目のスタジオもあるのか!?」と騒がれたいという思いからたどいう。そんな由来からか、「会社の法務を通すのが大変だった(笑)」という、おもしろいエピソードも飛びたした。

●『マフィア III』について。前作からの流れ、ストーリー(ナラティブ)について
 本作のストーリーを構築するにあたって、ブラックマン氏はまずスタッフと『Mafia』シリーズの“コア”とは何かをしっかりと話し合ったと言う。そこでたどり着いた結論のひとつは、“組織犯罪”(organized crime)を描いているということ、“アンチヒーロー”を描いていること(=リンカーン・クレイ)、そして骨太なストーリーとオープンワールドの掛け合わせという3つを挙げる。
 本作は、1968年のニューオリンズという限定的な年代、場所をモチーフにしている。1968年というと、実際のアメリカではベトナム戦争とマーティン・ルーサー・キングJr、ロバート・ケネディ(ジョン・F・ケネディ元大統領の弟)の暗殺事件、さらには大規模な公民権運動などで揺れ動いた時代だ。こういった時代背景も、本作の重要なコア要素となっているとブラックマン氏は述べた。

 続いてスタジオエグゼクティブ・プロデューサーのアンドリュー・ウィルソン氏は、ゲームシステム寄りの話としてステルスアクションなど、これまでの『Mafia』シリーズになかった要素を本作の特徴として挙げる。本作ではミッションを達成するために、ステルスを駆使して敵のアジトを制圧することができるなど、幅広いゲームプレイが可能になっている。「もちろん正面突破もできるので、あとはユーザーの好みのプレイスタイルで遊んでもらえればと思います」(ウィルソン氏)
 
 ストーリーラインに関するキーマンとなる、リードライターのウィリアム・ハームス氏は、ハンズオンでプレイできた建設会社絡みのストーリーを例に挙げ、「いわゆるオープンワールドだけでなく、緻密に練りこまれたプロットがゲーム内の随所に盛り込まれている」とコメント。
 また、「悪人は自分のことを悪人とは思っていない。自分は主人公だと思っている」という興味深い見解も。つまり、本作で展開されるどのサイドストーリーも、単なるサイドストーリーではなくて、それぞれの登場人物は、それぞれのストーリーの主人公であることを念頭にいれて、物語を練っているのだそうだ。それだけ深みのある世界観が構築されるというわけで、もちろんそれに伴う労力は相当なものがあったと容易に想像されるところだ。

●映画のようなカットシーン
 本作には随所にシネマチックなカットシーンが導入されている。筆者もハンズオンではいくつかのカットシーンを見させてもらったが、プレイヤーを引き込む力強い映像は圧巻で、月並みな言いかたになってしまうが、まさに映画のよう。本作のカットシーンは、トップレベルのチームを起用し、モーションキャプチャーも相当数行ったとブラックマン氏は述べる。

●本作の舞台・時代背景について
 前作、前々作はイタリアンマフィアがストーリーの中心だったが、本作ではイタリアンマフィアに復讐をしていくという、いわば真逆のストーリーが展開される。ブラックマン氏いわく、「『MAFIA I』、『MAFIA II』で描いていたように、イタリアンマフィアだけが登場するストーリーにはしたくなかった」とのことで、本作のために1960年時代背景など深く掘り下げるリサーチを行ったという。
 1960年代以前のマフィアは、世間的にはあまり“悪の存在”として認識されていなかった(正確には、悪いことをしても世間はマフィアに対して寛容だった)そうだが、60年代に入ると、イタリアンマフィアは組織的に悪事を働くグループと見なされるようになっていったとのことで、ニューオリンズに関して言えば、じつはシカゴやニューヨークよりも前(1800年代から)に、大きなイタリアンフマフィアの組織が存在していたそうだ。そういった史実をリサーチの過程で知ることができ、最後は自然と“1968年のニューオリンズを舞台にしよう”ということで、まとまっていったのだ。

 また、ブラックマン氏の父はベトナム戦争に参加していたという非常に興味深い話も。ブラックマン氏の父が帰還したのが1968年の1月で、さらにハームス氏の父もベトナム戦争に参加していたということから、「そういったことも、(舞台は1968年で主人公がベトナム帰還兵という設定に)影響していたのかもしれない」と明かされた。

●主人公リンカーン・クレイについて
 リンカーン・クレイは孤児院で育ち、自分の居場所を探し求めて黒人の犯罪組織に属することになる。やがて組織も彼をファミリーとして迎えることになるが、ベトナム戦争から戻った彼を待っていたのは、その黒人組織がイタリアンマフィアに裏切られ皆殺しにされてしまうというショッキングな内容だ。本来であればリンカーンはベトナムから帰還後、悪事に明け暮れた過去と決別するためにカリフォルニアに旅立つつもりだったという。

 プレゼンでは、ハンズオンで登場した元CIAのスパイである“John Donovan”についても言及された。Donovanはいわゆるアイビーリーグ(アメリカの名門私立大学8校の総称)卒業のエリートで、裕福な環境に育った人物らしい。リンカーンは南部の孤児院で育ちで、高校すら卒業していない犯罪者だったのに対して、Donovanは幸せな人生を歩んでいると言える。そんなバックグラウンドのまったく違う両者がお互いを理解しあい、仲間になる点もおもしろい。
 ベトナム戦争時は、CIAは現地でさまざまな協力者をリクルートしており、リンカーンはDonovanとのベトナムでの交流を通して“まったくバックグラウンドの違う人たちを味方にする”というCIAの働きを目の当たりにする。のちにこれはリンカーンが(ゲームの中で)さまざまな人たちを自分の味方に引き込んでいくという、対人スキルに繋がっていると解説された。

 そして、本作で登場する重要な人物である幹部の“腹心”たちとのやりとりも興味深いとハームス氏は言う。リンカーンと“腹心”は決して仲が良いというわけではなく、リンカーンに対して納得するときもあれば、気に入らなければ激昂するなど、緊張感のある距離感が特徴的だと解説した。
 また腹心”のおおよそのバックボーンについても明らかにされた。バークはアイリッシュ系のギャングでSal Marcanoの部下。前作の主人公ヴィトは、Sal Marcanoとの軋轢から新天地として本作の舞台であるニューボルドーにやってきたとのこと。 カサンドラはゲームが進行するにつれ、何を目的にしているのがが明らかになっていくそうだ。リンカーンと3人が織りなす人間模様も、ストーリーに彩りを添えそうだ。

●1968年代を象徴するクルマと音楽
 クルマに関しては、前作を開発していたチェコのIllusion Softworks(2K Czech)から引き継いだものも一部あるが、ほとんどはHanger13がゼロから開発したものだとのこと。開発するにあたって1960年代のクルマについてかなり研究したそうで、ゲーム内ではいろいろな種類のクルマを揃えられいる。舗装されていない道はトラック、警察に立ち向かうときは装甲したクルマで……といった使い分けができるというのだ。
 また、クルマに関して注目してほしいポイントとして、それぞれの“クルマの音”が違うことをブラックマン氏は挙げる。本作では、すべてのクルマのタイヤの音を録音しており、タイヤはある一定の温度を越えると、音が急激に変化するのだとか。非常に細かい点ではあるが、製品版が発売されたらぜひ聞いて確かめてみたいところだ。

 音楽については、本作に登場する楽曲も多種多様で、主人公のリンカーンが当時聞いていたであろう曲がたくさん盛り込まれているとのこと。当時を彷彿させるR&B、ハードロック、ジャズなどを始めとした、さまざまなジャンルの音楽が存在し、それぞれが強く影響しあっているそうだ。また現在分かっているだけでも、「The Beach Boys」、「The Rolling Stones」の名曲が収録されてる。これらの楽曲は、カットシーンやラジオから流れる曲など、ゲーム中のシーンに応じてそれぞれテーマを持って楽曲を用意していると紹介された。

 最後にブラックマン氏は、「我々も開発の過程で多くのテストプレイをしている」と前置きしたうえで、「今回参加したメディアの皆さんに長時間プレイしていただいて、プレイの仕方やゲームの進めかたが皆さん違っていて、それが今後の開発に非常に参考になりました。心の底から感謝しています」と語る。
 新しいスタジオを立ち上げて、まったく新しいチームで、自分たちのゲームエンジンを使って、文字通りゼロからゲームの開発をスタートさせた本作は、「シリーズ物とはいえ新しいことに積極的にチャレンジしており、ある意味“ブランニュータイトル”を開発している意識で取り組んでいる」と意気込みを述べ、プレゼンテーションを締めくくった。

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 いままであまり詳細は情報が明かされてなかった『マフィア III』だが、今回のプレスツアーでストーリーや時代背景、キャラクターのことが判明した。ぜひ今後の情報にも注目していきたい。

 なおスタジオツアーの様子は明日20日に公開予定。かなり貴重ともいえる2K GAMESのスタジオの内部を紹介するので、こちらもぜひチェックしてほしい。

最終更新:9月6日(火)23時51分

ファミ通.com