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【白球つれづれ】5打数5三振は大物の証?! “小兵ルーキー”にかかる大きな期待

ベースボールキング 4月26日(火)7時30分配信

「白球つれづれ」~第5回・茂木栄五郎~

 何といっても名前がいい。楽天のルーキー茂木栄五郎だ。

 「エイゴロー」なんて、時代が時代なら野武士か職人を思い浮かべる。インパクトの強さは名前だけじゃない。走攻守にわたってレベルの高いプレーぶりで、今やショートの定位置をがっちりとつかんでしまった。

 首脳陣の信頼の大きさは思わぬところで垣間見えた。

 4月20日に行われたオリックス戦。これまで堅実な打撃を見せてきた茂木のバットは湿ったまま。オリックスの先発・東明から救援陣に対して全くタイミングが合わず、気が付けば5打数5三振。不名誉なプロ野球記録(※過去に両リーグで14人)に名を連ねることになった。新人野手としては史上初だという。

 普通なら、ここまでバットが空を切り続ければ、ベンチでは途中で代打の用意をする。西武の「おかわり君」こと中村剛也クラスの不動の主砲ならともかく、ルーキーである。

 だが、梨田監督は次打席こそバントを命じたものの、交代させる素振りは全くなし。つまり守備、走塁を含め、今や茂木は「替えのきかない」存在と認知されているのだろう。

 かつて長嶋茂雄が新人として迎えた1958年の開幕戦。当時の大エースであった国鉄・金田正一から4打席4三振を喫した。ほろ苦いデビューの悔しさをバネに、長嶋はスーパースターの階段を駆け上がった。

 それと比較するのはおこがましいが、三振で存在価値を証明した稀有な例と言っていいだろう。

評論家も認める打撃センス

 話題性では、ドラフト1位のオコエ瑠偉が独占した楽天キャンプ。だが、首脳陣が人気ルーキー以上に期待していたのが、ドラフト3位の茂木だった。

 ベテラン・松井稼頭央の外野コンバートに伴い、ぽっかりと空いたショートのポジション。昨年は西田哲朗の活躍に期待がかかったが、負傷の影響もあって定着することはできなかった。

 内野の要を誰にするのか……。これがチームの喫緊の課題だった。

 そんな中で加入したのが、大学を代表する内野手として高い評価を受けていた茂木だ。早大では1年からサードのレギュラーの座を獲得し、首位打者やベストナインの常連だった。171センチの小兵ながら、俊足、強肩に加えてパンチ力もある。

 キャンプ当初はプロのスピードとパワーに戸惑う場面も見られたが、開幕直前のオリックスとのオープン戦では2打席連続本塁打をマーク。最後のアピールで、「6番・遊撃」の定位置を射止めた。

 「ストレートを待っていて、変化球にも対応できる。いわゆる“間”を持っている。こういう新人はなかなかいない」。元ロッテで活躍した野球評論家の得津高宏氏は、茂木の打撃センスを高く評価する。

 25日現在の打率は.262。ここまで3試合続けてノーヒットだったことはない。規定打席到達の楽天ナインの中では3番目のアベレージで、ルーキーでさらにショートというポジションを考えれば十分に合格点の滑り出しだ。

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最終更新:5月9日(月)17時26分

ベースボールキング

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