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被災地応援へ ふるさと納税活用 他自治体が業務代行 返礼品なし熊本、大分に

日本農業新聞 4月27日(水)7時0分配信

 地震で大きな被害を受けた熊本県を応援しようと、「ふるさと納税」の制度を活用し、被災した自治体に返礼品なしで寄付金を送る取り組みが急速に広がっている。インターネットの専用サイトでは「頑張れ熊本」「地震に負けるな」といったメッセージとともに、既に5億円を超える寄付金が集まった。被災自治体の負担を軽減しようと、過去に災害を経験した自治体などが受け付け業務を代行しているのも支持を集める理由だ。

 ふるさと納税を通して、熊本地震への支援を呼び掛けているのは、全国自治体のふるさと納税を仲介するサイト「ふるさとチョイス」。地震が発生した14日の翌日から「災害支援でチョイス」の中で熊本支援ページを立ち上げた。1県16市町村が益城町などの被災自治体に代わって、ふるさと納税による寄付金を受け付けている。

 同制度は通常、当該の自治体が入金確認や確定申告に必要な受領証明書の発行業務を伴うが、「肩代わりすれば、震災対応に注力してもらえる」と他の自治体が代行支援を買って出た。寄付金は甚大な被害があった益城町や阿蘇市、西原村、熊本県などに全額送られ、農畜産物などの返礼品はない。

 昨年9月の関東・東北豪雨被害からの復興に、ふるさと納税による寄付金を当てた茨城県境町も名乗りを上げた。16日から熊本県に代わって、寄付金を受け付ける。26日現在、同町には5000件、計1億1000万円の寄付金が集まった。

 同町では「寄付をしても被災地に負担を掛けてしまうからと、ためらっていた人からも好評。豪雨被害で全国から応援してもらった恩を返したい」(まちづくり推進課)と意義を強調する。

 2007年3月の能登半島地震で被災した石川県輪島市も23日、阿蘇市や西原村などの代行受け付けを始めた。震災時の業務の大変さを経験したからこそ、「力になりたい」(地方創生室)と話す。

 熊本県に加え、同県宇土市、小国町、嘉島町、熊本市、八代市、山都町、菊池市、宇城市、大分県は、ふるさと納税による直接支援を受け付けている。100人以上が避難所生活を送る菊池市では25日現在、「数千件の寄付の申し込みがある」(企画振興課)という。「避難者が多く、どれだけ被害が広がるか調査中だが、復興のため大切に使わせてもらいたい」(同)と感謝する。(宗和知克) 

<ことば> ふるさと納税
 応援したい自治体に2000円を超える寄付をすると、一定額が所得税と住民税から控除される仕組み。14年度寄付実績は389億円と前年度(145億円)を大幅に上回った。寄付先の自治体から米や牛肉、果物といった返礼品を目当てにした利用者は多いが、熊本地震をきっかけに返礼品なしの寄付も根付き始めている。

日本農業新聞

最終更新:8月12日(金)18時59分

日本農業新聞