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東京湾に“領土問題”? 江東区vs.大田区の「中央防波堤帰属問題」とは

THE PAGE 5月10日(火)7時0分配信

 東京湾に浮かぶ巨大な人工島である中央防波堤埋立地の帰属をめぐって、江東区と大田区が激しいバトルを繰り広げています。

 両区による具体的な協議がすでに始まっていますが、双方とも譲る気配はなく、地方自治法に基づき、知事に調停を申請する可能性も高まっています。

中央防波堤ってどこにあるの?

 問題の人工島は、お台場の先に位置しており、もともとは島ではなく防波堤だけが存在していました。しかし、1973年にゴミ処分場として防波堤内側の埋め立てが始まり、外側については1977年から埋め立てが始まりました。埋め立てが進んだ結果、防波堤を挟んで内側と外側に広大なスペースの人工島が出来上がり、それぞれが、中央防波堤内側埋立地、中央防波堤外側埋立地となりました。防波堤という名称にはなっていますが、今では埋立地と一体化しており、完全な陸地といってよいものです。

 この人工島については、内側に近い江東区に帰属するのか、外側に近い大田区に帰属するのか決めないまま、埋め立てを進めてきたという経緯があります。1987年、内側の埋め立てが終了したことをきっかけに帰属問題が表面化しましたが、江東区と大田区の主張は平行線のままとなっています。

江東区の言い分、大田区の言い分

 ここにきて、帰属問題がヒートアップしているのは、埋立地内にオリンピック競技場の建設が決まり、周辺の開発期待が高まっているからです。これまでは、どちらに帰属するのかという単純な問題でしたが、開発利権が関係してきたことから、一気に注目度が上がったわけです。

 江東区では、東京都から出るゴミの多くを受け入れてきたという負担の大きさを根拠に、帰属の正当性を訴えています。ゴミの収集車はほとんどが江東区を通って埋立地に向かうため、周辺住民は長期にわたって悪臭や騒音に悩まされてきました。埋立地の経済的メリットを享受する権利は江東区にあると主張しています。

 一方、大田区は海苔漁業の歴史的な経緯を根拠にしています。埋め立てが始まる以前は、この海域では海苔の養殖が盛んに行われていたのですが、大田区の養殖業者が多数を占めていたといわれます。したがって、この場所については、大田区に帰属すべきという認識です。

 オリンピックまでにはあまり時間がないため、両区ともできるだけ早い解決を望んでいますが、区民意識に加え、開発利権というお金の話が関係していますから、そう簡単には決着しないかもしれません。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:5月10日(火)14時29分

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