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日本の最低賃金は今いくら? 時給1000円実現しても、欧米諸国に比べ低水準

THE PAGE 5月13日(金)7時0分配信

 安倍首相は昨年、最低賃金を引き上げ、全国平均で1000円をめざすという目標を掲げました。欧米各国の都市部では最低賃金を15ドル(約1620円)に引き上げる動きが活発になっています。日本の最低賃金は今いくらで、どのような仕組みで決まっているのでしょうか。

日本の最低賃金、欧米各国の水準と比較してみると……

 最低賃金とは、最低賃金法に基づき、事業者が従業員に支払う賃金の最低限度について国が定めたものです。最低賃金の額については、地域によって物価など生活環境が異なりますので、都道府県ごとに決定されます。もっとも高い東京は907円、もっとも安い沖縄や高知などでは693円、全国を平均すると798円になります。

 最低賃金が存在しているのは、法令でこれを定めないと、悪質な事業者が安い賃金で労働者を酷使する可能性があるからです。つまり最低賃金は、労働者を守るためのセーフティネットという位置付けですから、その金額は生活保護の水準を考慮した上で決定されます。基本的には生活保護を下回らないよう、定期的に見直しが行われます。

 日本の最低賃金については国際的に見て低いとの指摘がありますが、あながち間違いではありません。フランスは9.67ユーロ(約1185円)、英国は6.7ポンド(約1039円)、米国は各州を平均するとだいたい8ドル(約860円)位ですが、都市部になると金額は跳ね上がり、主要都市では時給15ドルをめざす展開となっています。確かにこうした数値と比較すると日本の最低賃金は安いといえるでしょう。

時給1500円には及ばない、安倍首相の掲げた目標、時給1000円実現できる?

 しかし日本の企業に高い最低賃金を支払う余力があるのかはまた別の話です。十数年ほど前までは、諸外国と日本の賃金水準に大きな差はありませんでした。しかし、諸外国はその後、順調に経済成長を続け、国内総生産(GDP)を1.5倍から2倍に拡大させています。一方、日本経済は横ばいという状況が続いており、物価はほとんど上昇していません。

 米国では大卒の初任給が40万円を超えることも珍しくありませんから、日本と先進各国の物価水準の差はかなり大きいというのが現実です。今の日本経済に時給1500円レベルの最低賃金を支払う余力はないと考えた方がよいでしょう。

 安倍首相が掲げた時給1000円という目標は実現できるギリギリの水準かもしれません。ただ、日本は円安によって輸入物価が上昇しており、労働者の実質賃金は下がる一方です。現在の最低賃金では生活を維持するのがやっとというレベルですから、1000円への引き上げが実施された場合でも、生活実感はそれほどよくならない可能性があります。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:5月13日(金)7時0分

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