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<パナマ文書>21万社の情報公開 「秘匿性の解除」が今後の争点か?

THE PAGE 5月10日(火)15時10分配信

 米ワシントンに拠点を置く国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)は日本時間の10日午前3時過ぎ、「パナマ文書」に記載されていた21万社以上の法人の名前をウェブ上で公表。パナマの法律事務所「モサック・フォンセカ」経由で過去40年の間に租税回避地で設立された ペーパーカンパニーの名前は、それぞれの法人が所在する国や地域別にデータベース化されており、ウェブ上での検索が可能となりました。日本人や日本企業の名前 もデータベースには記載されており、伊藤忠や丸紅といった総合商社やソフトバンクの名前も確認できます。各国でタックスヘイブンに対する規制強化の動きが見られるなか、パナマ文書はどのような役割を果たすのでしょうか?

【写真】パナマ文書で注目 「オフショア取引」と「タックスヘイブン」とは?

ペルーなどの大物麻薬密売人や米国人詐欺師の名も

 パナマ文書をめぐる報道は、10日の関連企業名公表の前から熱気を帯びていました。史上最大級となる2.6テラバイトのデータを南ドイツ新聞に送った匿名の情報提供者が6日、「革命はデジタル化される」と題した声明を発表。この声明は南ドイツ新聞や国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)によってウェブに記載されました。情報提供者は「ジョン・ドー」という身元不明男性に使われる俗称を使い、収入格差を是正したいという思いが情報提供のきっかけになったことを明かしています。これまでの情報提供者が、国家に逮捕・拘留されてきた事例を挙げ、免責が確約された場合には各国政府に協力する姿勢も打ち出しています。

 この匿名の情報提供者は声明の中で、これまでに政府や諜報機関に一度も勤務したことはないと断言。特定の国の利益のために情報をリークしたのではないと主張しています。また、映画「戦場のメリークリスマス」のロケ地としても知られ、近年はタックスヘイブンとしても知られるクック諸島(もともとはニュージーランドの属領)に対して何の対応もしてこなかったニュージーランドのジョン・キー首相を名指しで批判。キー首相と共に名指しで批判されたもう一人の人物は、先月26日に米財務省傘下の金融犯罪取締ネットワークの局長を辞任すると発表したジェニファー・カルベリー氏で、彼女はパナマ文書でも名前が頻繁に出てくる香港上海銀行(HSBC)に重役待遇で迎えられると一部で報じられています。金融犯罪の取り締まりを指揮していた人物が、パナマ文書でその存在が大きく取りざたされた金融機関に転職することへの問題提起も声明では見られました。しかし、なぜこの二人が名指しで批判されたのかは不明です。

 そして、日本時間の10日未明、ICIJはパナマ文書に記録されていた21万社以上のデータベース化された情報を公表。モサック・フォンセカによってオフショア法人が設立された21の国や地域の中で、ニュージーランド関連のものはわずかに50社ほどで、そのほとんどは英領ヴァージン諸島に設立されていました。ヴァージン諸島だけで15万社以上のペーパーカンパニーの存在が確認できます。

 21万社を超える法人の中には、世界的に有名な犯罪者と関係したものもありました。ペルーやグアテマラの大物麻薬密売人の名前や、80年代から90年代にかけてアメリカ国内で投資詐欺を行い、判明しているだけで保険会社に2億ドル以上の損害を負わせたアメリカ人詐欺師の名前も。英領ヴァージン諸島のペーパーカンパニー経由で中東やアフリカで武器売買を行っていたイギリス人や、ハンガリーやイスラエルを拠点に様々な非合法ビジネスに関与したウクライナ出身のマフィアの首領もモサック・フォンセカの顧客だったのです。

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最終更新:5月10日(火)15時10分

THE PAGE