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夢の中だけの問題ではない「悪夢障害」日中も精神的苦痛が続く

エコノミックニュース 5月10日(火)8時7分配信

 「悪夢障害」は、ただ悪夢が続くだけという軽いものではない。繰り返し押し寄せる悪夢に苦しめられ、疲労回復感を得られず、眠気、うつ気分、眠ることへの恐怖が生まれ、日常生活に支障をきたすケースもあるのだ。

 悪夢障害は何らかのメンタルヘルスの問題を抱える人に多く見られると言われている。悪夢を見やすくなるというのはうつ病の症状の一つであり、心的外傷後ストレス障害(PTSD)も悪夢との関連が有名だ。PTSD患者の多くがトラウマに関わる悪夢にうなされ、PTSDの改善とともに悪夢も薄れていくが、重症化して一生続くケースもある。

 また、薬剤も悪夢の引き金になり得る。睡眠調整に関わる神経伝達物質であるドーパミンやヒスタミン、アセチルコリンなどの働きに影響を及ぼす特徴がある、抗うつ薬、L-ドーパ(パーキンソン病の治療薬)、βブロッカー(降圧薬)、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬(認知症治療薬)、抗ヒスタミン剤などだ。研究が進めば悪夢障害の治療薬が誕生するかもしれない。

 現在行われている悪夢障害の治療は、精神疾患や薬剤など悪夢の原因が明確である場合、それらの対処が行われる。原因が不明である場合は、リラクゼーションを得るための自己睡眠法の一つである自立訓練法が有効とされ、レム睡眠を抑制して不安を緩和するという薬物療法も存在する。

 現在、精神的疾患に罹っていなくても、悪夢が続く可能性は十分にある。悪夢は心理社会的ストレスを受けた子どもに生じる可能性が高いが、成人期にも頻繁に悪夢が続くことがあり、日常生活上のストレスが悪夢を生む原因という説もある。

 厚生労働省が5年に1度行っている「労働者健康状況調査」によると、「仕事や職業生活でストレスを感じている」労働者の割合は、1982年に50.6%だったのが、2012年には60.9%へと上昇している。1997年の62.8%がピークであったものの、約6割が日々ストレスを感じながら働いていることになる。

 日中は仕事でストレスを感じ、休息の場であるはずの布団の中で悪夢にうなされ、疲れを残したまま出勤する…そうならないためにもストレスを発散する習慣を身に付けたい。(編集担当:久保田雄城)

Economic News

最終更新:5月10日(火)8時7分

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