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【千葉魂】 快進撃に清田の声 とにかく明るいマリーンズ

千葉日報オンライン 5月10日(火)11時38分配信

 ベンチに野太い声が響き渡る。「グッド~ヒット!」。清田育宏外野手の大きな声に他の選手が呼応する。ここまで快進撃を続けるマリーンズ。そのベンチは、どんな局面でも背番号「1」を中心とした選手たちが大声を出し、活気があふれる。だからこそ、どんな逆境でも諦めない。逆転をする雰囲気に満ちあふれている。打線がつながる。ベンチがさらに盛り上がる。乗せられるように選手たちがハツラツとプレーをしている。

 「キヨ(清田)はよく声を出してくれている。野手では年齢は上の方。リーダーの一人として、率先してやってくれている。いい雰囲気をつくり上げてくれているね」

 ベンチで試合を見つめる伊東勤監督もこれまでとの雰囲気の違いに目を細める。清田が先頭に立って、声を出してくれることで、若手が続く。そしてどんどんチームの雰囲気がよくなっている。

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 転機があった。3月に行われた侍ジャパン強化試合。清田はプロ入りして初めてジャパンのユニホームに袖を通した。日本を代表する選手たちがズラリと並ぶベンチ。様々な選手の行動をジッと観察した。雰囲気の良さに気が付いた。それはホークスの松田宣浩内野手を中心に飛び交う声が要因だった。

 「プロに入って初めて日本代表に呼んでもらって、他のチームの主力選手の人たちが、試合前や試合中、どういうふうにしているのか興味があった。松田さんがすごい声を出していてボクは、とてもやりやすかった。ああ、こういうのは大事だなと。こういう影響はデカイのだと、感じた。マリーンズにおいて松田さんのような存在の選手になりたいと思いました」

 だから、チームに再合流すると率先して声を出した。若い選手に声を掛け、大声を張り上げた。ホームランが出ると、「ウワオ!」と人気お笑いコンビの「ますだおかだ」の岡田圭右のマネをして盛り上げた。「清田さんがするなら」と若い選手たちも「ウワオ!」と真似をする。自然とベンチの雰囲気が良くなった。

 ただ、好調なチームの中にあって、清田の成績はなかなか上がってこなかった。5月5日の楽天戦までは20打席無安打。苦しい日々が続く。凡退をして戻ってきて、「ベンチにいるのもつらい」と漏らすこともあった。そんな状況でも声を出し続け、若手を激励した。悩み抜いて決めたことだった。

 「ここでオレが声を出すのを止めたら、去年までのオレと一緒。自分の成績が悪いから声が出ないでは、ダメ。どんな時も声を出す。それはシーズン前に自分に約束をしたこと。だから、貫き通そうと思った。誰よりも声を出そうと決めた」

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 5月7日のオリックス戦(QVC)。八回に同点ソロ。そして九回に中前にサヨナラ打を放った。一塁ベースを蹴り、全身で喜びを表現する背番号「1」に、仲間たちが駆け寄る。いつもベンチを盛り上げてくれる男に手荒い祝福をすると、選手たちから「清田!」のコールが自然と沸き上がり、清田ジャンプが始まった。今のチームの雰囲気を象徴する光景だった。清田もまたうれしそうに満面の笑みで応えた。お立ち台ではインタビュー中に角中勝也外野手がバットリング(リング型をした素振り用の重り)を持ってきた。ベンチにメガホンがないため、清田はいつもこのリングを口にあて、声を張り上げている。それに対する敬意だった。

 目指すは打倒ホークス。そしてリーグ優勝。ホークスには盛り上げ役としてお手本にした松田内野手がいる。バットでも、声でも負けない。自らの手でチームをけん引し、頂点を目指す。「さあ、行くぞ!」。今日も清田の声がベンチに響く。今年のマリーンズのベンチはとにかく明るい。だから、強い。ビハインドでも粘って逆転勝ちをする。その中心に清田がいる。ゲーム後の背番号「1」はいつも声が枯れている。

 (千葉ロッテマリーンズ広報 梶原紀章)

最終更新:5月10日(火)11時38分

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