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“国産路線”が快走 安全性、季節感で集客 15年度 外食業界決算

日本農業新聞 5月10日(火)12時0分配信

 野菜など食材の国産化を積極的に打ち出した外食チェーンの好業績が相次ぎ、2015年度決算でも結果を残している。利益率アップを目指した各社は「付加価値商品」として国産品を投入。値段が高めでも安全・安心といった価値が消費者の支持を集めた格好だ。国産に縁遠かった企業も導入に動くなど、飲食業界の大きな流れとして定着しつつある。

 「長崎ちゃんぽん」を看板メニューに約500店を展開するリンガーハットは15年度、売上高と営業利益が過去最高を更新した。「キャベツ、タマネギなど国産の良さが浸透したことが原動力となった」(秋本英樹社長)。前年度まで月1回の頻度だった販促企画「日本の野菜の日」を毎週に強化。野菜増量メニューは4人に1人が選ぶ主力品に成長した。

 キャベツはJA愛知みなみ、JA嬬恋村(群馬県)産などを仕入れる。麺の小麦も含めた“オール国産”戦略が「安全・安心を求める消費者ニーズにはまった」という。

 鶏肉が全て国産の日本ケンタッキー・フライド・チキンは、売上高が前年比6%増で、グループ全体の増収増益をけん引した。15年3月に値上げしたが、客数は増加。店頭やCMで「国産を明確にPRしたことが奏功した」と同社はみる。

 15年5月に値上げしたハンバーガーチェーンのモスフードサービスも増収増益となる見通し。従来からの国産路線を強化し、パンの代わりにレタスで肉を挟むバーガーを新発売した。

 輸入品重視のチェーンにも変化が現れている。日本マクドナルドは11日から「愛媛県産甘夏」のデザートを全国販売する。15年から期間限定で北海道産ジャガイモや「宇治抹茶」などを登場させ、「季節感をアピールする商品」(PR部)として売り込む狙いだ。

 同社は14年に起こした中国産の消費期限切れ鶏肉問題を機に客が離れ、業績が低迷。国産使用によるイメージ回復の狙いもあるとみられる。

 ファミリーレストランのロイヤルホストや、居酒屋チェーンを展開するモンテローザも付加価値型の商品で国産使用に乗り出している。(細田勇治)

中食商品と区別化狙う 外食業界に詳しい宮城大学食産業学部・堀田宗徳准教授の話

 国産化の流れは外食業界の変化が影響している。労働人口の減少による賃金増や輸入食材の値上げなどで各社の利益率は低下傾向にあり、収益性の改善は喫緊の課題といえる。スーパーやコンビニエンスストアの中食商品の質が上がり、外食に新たな売りが必要だ。安全・安心を消費者に伝えやすい国産化は、集客増や値上げを実現する上で大きな武器になる。

日本農業新聞

最終更新:5月10日(火)12時0分

日本農業新聞

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