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情感を映し出す詞と音の呼応、LUNKHEAD「決戦前夜」に込めた想い/インタビュー

MusicVoice 5月10日(火)22時4分配信

 4人組ロックバンドのLUNKHEAD(ランクヘッド)が5月11日に、シングル「決戦前夜」をリリースする。表題曲は、不朽の名作と謳われるテレビアニメ『うしおととら』のエンディングテーマ。同アニメを愛読してきたという小高芳太朗(Vo&G)にとって今回のタイアップは願ったり叶ったり。同作に募る想いや脳裏に焼き付く描写、そして、今改めて読み返し変化した物語の捉え方など、沸き立つ情感を絞り込み歌詞に表現、それをサウンドで際立たせた。LUNKHEADの楽曲の世界観は歌詞によって成り立つ。それを引き立たせるのは個性溢れる各パートだ。小高はその特徴的な魅力を「歌詞と音の融合」と唱える。歌詞はどのように描かれ、そして各パートは歌詞にどう寄り添うのか。フロントマンの小高に、今作、そして過去の作品に触れながらその想いを聞いた。

インタビューカット

与えられた条件のなかで表現することの新たな発見

――新曲「決戦前夜」はテレビアニメ『うしおととら』のエンディングテーマとなっています。制作にあたってどのような思いで曲を書かれましたか?

 そもそも、「うしおととら」は、僕らと同世代の頃に連載されていた漫画なんです。僕も中学か高校の頃に読んでいた漫画なのでリアルタイムで触れてきたというか。やっぱり、うしおはカッコいいんですよね。だからすごく憧れがありました。

 僕らが今回お話を頂いて、いざLUNKHEADでとなった時に、やはり作品への思い入れはすごくあったので、「ただ僕らの曲をエンディングテーマに使っていただく」というのは自分らのなかでしっくりこなかったんです。だったら「うしおととら」という作品の一部としてちゃんと描きたいと思いました。曲が自分達でなかった分、余計にそういう想いが強かったかもしれないですね。

――タイアップのお話を頂いた際に、作詞の面で何かしらの要望はあったのでしょうか?

 「なるべく作品に沿った内容にして」とは言われたんですけど、たぶん出来上がった楽曲をみて先方もこんな露骨に「うしおととら」という感じになるとは思ってなかったんじゃないですかね。

――作曲は大隅知宇さん、作詞は小高芳太朗さん、つまりインタビューにお応えになっている小高さんがされている。最初に曲を作って、あとから歌詞を乗せたという感じでしょうか?

 そうですね。そもそもTVサイズのワンコーラスのデモがもともとあって「これで勝負してくれ」と。お話を頂いた時は「自分で作った曲の方が絶対いいものが作れる」という自信があったので正直悔しい思いもあって「これで(あらかじめ用意された曲で)勝負しなきゃいけないのか」という戸惑いもありました。でも、おかげで与えられた条件の中でどれだけ自分達が表現できるかという色々な発見もあったし、逆にすごく“LUNKHEADらしく”出来たと思うんですよね。サウンド面でも歌詞も。だから今となっては良かったなと思います。歌詞を書くのも全然迷いがなかったですね。

――これまでの歌詞は小高さんがほとんど書かれていて、自分の想いや、いろんな背景を乗せるのは比較的にやりやすかったのかと思います。しかし今回は、逆に与えられた条件に応えなければいけないという事もあって、歌詞を書く環境がだいぶ異なったと思われますが、その悔しさの中でこれまでの曲とはまた違うようなところを出していこうと思った点などはありますか。

 歌詞を書く時は普段からその時に読んだ小説に感化されたり。僕は漫画も好きで。ほかにも例えば、電車の中吊り広告やポスターなんかのキャッチコピーは一言で伝えなければいけないから、力強い言葉が多いじゃないですか。そういうのを眺めていた時に「ハッ」と、歌詞が浮かんできたりというのは普段からあるので、そういう意味ではいつもと書き方は変わらなかったんですけど、今回の「うしおととら」の為に書くというのは公になる事なので、逆にすごく書きやすかったですね。

――公になるというのは、発想元の「題材が」という点においてですね?

 そうです。情報源としては、「うしおととら」自体がもう好きな漫画なので、自分の好きなセリフやシーンがいっぱいあるし、それを歌いたいっていうのがたくさんあるから、それを選ぶ方が大変みたいな。「言葉が出てこない」という苦しみよりも、歌という点で字数制限があるので「これもコレも盛り込みたいけど迷っちゃうな!」という方の苦労がありました。

――言葉がたくさんあったというところですが、それはノートに書き溜めておいたりするのでしょうか?

 やっぱりずっと覚えてますね。そのシーン毎に。

――シーン毎に歌詞や言葉、情景があるという点ですが、先程の小説の話でもありましたが、その時に読んでいる本や漫画などによって捉え方も変わってくると思うのです。情報や経験を重ねることで当時、思っていたものが変わってくるという点において。今回の曲に関してそういった事はありましたか。

 ありましたよ。10代の時に読むのとは違いましたね。30代になって読むと、うしおが自分の息子くらいの歳じゃないですか? だから10代の時だとわからなかった、うしおの葛藤とか、苦しみみたいのが、20年くらい経ってから読み返してやっとわかるというのもあったし。そういうのは変化がありましたね。

――その変化にあたる点は歌詞でも表現されましたか?

 変化の箇所を詞で言うと、2番のAメロ「信じる事さえ忘れた夜も 戦う意味さえ無くした朝も」という所ですかね。そこがうしおの“弱さ”というか、ただの普通の中学生だったという所に時間が経ってから気付いたと。当時はただひたすら格好良かったんですよ。でも、うしおなりに葛藤があって、苦しみがあって、それでもそこから色んな人の支えとか愛する人達を守りたいという気持ちで踏み出すという「ただカッコいいだけじゃなかった」という事に、時間が経って気付きましたね。

――その箇所はご自身に重ねているところもあるのでしょうか。というのも、これまでの小高さんが書かれた詞を読むと、小高さんの内面を見ている気がしてくるのです。今回の「決戦前夜」もその延長線上にあるのかなと思いました。

 そうですね。そこが自分と一緒なんだなという感じがして、そこは歌詞にしたいなと思いました。

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最終更新:5月10日(火)22時4分

MusicVoice

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

斬首動画が何百万回も再生されてしまう理由
昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。