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大阪のクラブ・グランカフェ、21年の歴史に幕

Lmaga.jp 5月10日(火)18時0分配信

1994年にオープン以降、大阪・ミナミのアメリカ村を代表するクラブとして国内外のトップDJたちが熱いプレイを繰り広げ続けてきた「グランカフェ」(大阪市中央区)が5月7日、21年の歴史に終止符を打った。

クリスタル・ウォーターズ、ジョー・クラウゼルら『LAST DANCE』の様子

ゴールデンウィーク終盤の5月7日夜に行われた『LAST DANCE』は、70年代から第一線でスピンし続けるDJ Ageishi、A Hundred Birdsを率いるDJ YOKU、「ジプシー・ウーマン」の大ヒットで広く知られるクリスタル・ウォーターズ、そしてディープ・ハウス/スピリチュアル・ハウスの巨匠として不動の人気を誇るジョー・クラウゼルを迎え、ハウスに強いグランカフェならではの豪華ラインアップで最後の夜を彩った。

オープンの21時を30分ほど回ったところからDJ Ageishiが流麗かつジャジーなハウスでゆったりとエンジンをかけ始めると、海外の大型野外フェスでも採用されているファンクション・ワンのスピーカーを前後に配置した関西屈指の良質なサウンド・システムが「いい音」でフロアを包み込んだ。オープンからまだ1時間ほどで、いつもよりも速いペースで閉店を惜しむ人々が続々と集い始めると、グランカフェのレジデント的な存在であるDJ YOKUへとスイッチして選曲も徐々によりアップリフティングに。

午前0時を越えて、ダンスフロアもラウンジフロアも常連から久々に訪れた人たちまで入り乱れての賑わいを見せるようになると、YOKUはデトロイト・テクノのアンセムでありA Hundred BirdsのカバーでもおなじみのDJ Rolando「Jaguar」をスピン。ダンスフロアにより多くのクラウドが流れ込んできたところで、こちらもAHBが取り上げてリバイバル・ヒットしたアンジェリーク・キジョ―の名カバー「Batonga」のクラシカルなイントロが流されると、サプライズでシンガー・TeNが登場して、アフロ・ハウスの名曲を生のボーカル入りで再現して盛り上げた。

そして、予想を上回るハイテンションなステージでディーヴァ健在を印象付けたのがクリスタル・ウォーターズ。ヒョウ柄のスーツに身を包んだマッチョな黒人ダンサーを両サイドに引き連れて登場すると、冒頭からアッパーなビートに合わせて「Are You Ready For Party?」と煽りつつキレの鋭いダンスと歌声で熱狂させ、おなじみの「la-da-dee la-da-da」のシンガロングをクラウドに求めた後にアーリー・ハウスの大ヒット・チューン「ジプシー・ウーマン」へ。その後もホイッスルも吹き鳴らしつつさらにテンションを高めるステージを怒涛のように展開し、衰えをしらないダンス・クイーンぶりを発揮した。

しかし、ナイトライフの本番はまだまだココから。クリスタル・ウォーターズの嵐のようなステージを経て、1時を回ったところでお待ちかねのジョー・クラウゼルが登場すると、雄大にしてファットな出音のハウスでフロアは一気に漆黒のディープ・ゾーンへ。序盤には片方のメイン・スピーカーにトラブルが発生してややヒヤリとする場面もあったが、スタッフがすぐさまそれを解消すると、ジョーもイコライザーやエフェクト、彼のトレードマークでもあるアイソレーターなどを駆使した神業ミキシングを全開にして、コアな音からEW&F「ブギー・ワンダーランド」などのクラシックまでもが縦横無尽に飛び出す無敵のサウンド・ジャーニーへと突入していった。

ズ太いキックをキープしつつ、トライバルな打楽器、フリーキーなジャズのインタープレイ、アフロ・ビート、ブラジル音楽など。尽きることを知らない様々な音楽のエッセンスを自在に盛り込み、何度もピーク・タイムを作りながら果てしなく踊らせるプレイで4時間ほどたっぷりと彼ならではの世界で圧倒すると、朝方にはスティーヴィー・ワンダー「アナザー・スター」あたりから、アナログ・レコードを使ってのより親しみやすいダンス・クラシックスへとチェンジ。グランカフェで何度もスピンされてきた新旧の名曲を次々とターンテーブルに乗せつつ、明け方6時半ごろには国内外のDJたちとココでセッションを重ねてきた女性打楽器奏者・Red-Bも登場してジェンベを叩き、ジョーもマイクを取って「自分のDJとしてのキャリアの中でも重要なクラブだった」とMC。その後も、朝が来ても終わることのないダンスは止まることを知らず、グランカフェらしい音に包まれて「LAST DANCE」は日が昇ってもエンドレスに続けられた。

取材・文/吉本秀純

最終更新:5月10日(火)18時13分

Lmaga.jp