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GW、苦戦した沖縄観光 稼働率が前年並みだったホテルのある作戦

沖縄タイムス 5月11日(水)6時49分配信

 ゴールデンウイーク(GW、4月29日~5月8日)期間中の国内客向けの宿泊プランについて、県内の多くのホテルが、前年並み以上の「強気の価格設定」で旅行会社と契約したものの、「沖縄旅行は高い」との印象を持たれて苦戦した。販売実績(客室数ベース)が全国平均を下回った大手旅行会社もあり、国内客離れへの危機感が広がった。ホテルの一部はその後、ウェブ上の予約サイトで値下げ作戦を展開。個人客を呼び込むことで結果的には前年並みの稼働率を維持した。観光業界にとって次の稼ぎ時は夏場。GWと同じように戦略が問われる事態が予想される。(政経部・平島夏実)

 県内ホテルの約7割(客室数ベース)と提携しているJTB沖縄グループによると、離島を含む県内ホテル60カ所の客室販売実績は、GW期間全体で前年同期よりも6・1%低かった。全国では4・5%減。県内では、高値傾向にある5月3~5日の前年割れが激しく、GW全体の数値を押し下げた格好だという。
 沖縄の実績が全国よりも悪かった理由について、JTB沖縄の杉本健次社長は「ホテルの価格に加えて航空運賃も上がり、国内客にとっては沖縄旅行の割高感が際立ったのでは」と分析。夏場に向けて不安が残るとみる。
 ホテル側は、実際の宿泊日の約半年前に大手旅行会社との契約を済ませるという。なぜ強気の売り出し価格だったのか。那覇市内のあるホテル社長は「これだけ観光業界が好調で日並びもいいならそう考える」と話す。いったん旅行パンフレットに載ると価格の変更は難しい。
 一方、日々の需要をみながらホテル側が自由に価格設定できるのがウェブ上の予約サイトだ。旅行予約サイトの運営会社エクスペディアの山崎美穂エリアマネジャーは「(旅行会社経由の予約が振るわないと分かった)4月に入り、GWの割引設定をするホテルが目立った」と振り返る。同社の販売実績(客室数ベース)は、外国客の取り込みもあって那覇エリアで前年同期比1・8倍、北部リゾートエリアで1・5倍に伸びた。
 宿泊単価を下げることで稼働率を上げるやり方は、ホテルにとって一つの戦略だ。だが、ある那覇市内のホテル総支配人は「価格の下げ幅は10%が限度。そうでなければ、一度予約を入れた客が次々キャンセルして他に流れてしまう」とリスクを指摘する。
 「再び料金を上げた時、コストパフォーマンスに見合うサービスを提供しなければ客離れにつながる」。そう判断し、価格の上げ幅を900円に抑えた本島中部のホテルもあった。
 売り出し価格の高さが国内客に嫌われたとみられる、GWの沖縄観光。沖縄観光コンベンションビューローの平良朝敬会長は「ターゲットを国内客にするのか外国客にするのか、どんな料金設定にするのか、ホテルごとに戦略が分かれた印象だ」と分析している。

最終更新:5月12日(木)11時29分

沖縄タイムス