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パナマ文書、租税回避地利用の何がいけないのか?

THE PAGE 5月11日(水)15時0分配信

 国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)は10日、タックスヘイブン(租税回避地)から流出した「パナマ文書」に関連する約21万社の会社名などを公開しました。タックスヘイブンに設立されたペーパーカンパニーは、資産隠しや税金逃れに利用されるケースがあり、リストにはロシアのプーチン大統領や中国の習近平国家主席など、著名な指導者に関連したものが含まれているといわれています。また一部には日本の資産家の名前も掲載されているようですが、こうした租税回避地の利用は何が問題なのでしょうか。

国の指導者が資産を隠し持つことは大問題

 ひとくちに租税回避地を利用する行為といっても、どの国の人が何を目的に行ったのかによって、その意味はまったく異なってきます。例えば中国は、資本の自由化を進めている最中とはいえ、政治体制としてはいまだに共産国家であり、厳密な意味では個人が資産を保有しそれを自由に移動したり処分することは禁じられています。ロシアも同様に外貨に対する厳しい規制があり、やはり自由な経済活動が制限されている国です。このような国の指導者が、海外に大規模な資産を隠し持っていたということになると、大問題に発展する可能性を秘めているわけです。今回のケースでは、プーチン大統領と習近平国家主席という国際政治のキーマンの名前が取り沙汰されていることから、全世界がこのリストに注目しています。

税務申告の内容に虚偽がなければ違法性はない

 一方、タックスヘイブンは国際的な金融取引や不動産取引の中継地点として使われるケースも多く、この場合にはごく当たり前のビジネス活動に過ぎません。今回のリストには伊藤忠商事の名前がありますが、関連して出てきたペーパーカンパニーは、中国の不動産デベロッパーとの共同開発案件で使われた可能性が高いと考えられます。こうしたケースでは、日本国内で納税していることがほとんどであり、同社が適切に税務処理をしているのであれば、特に問題になるような話ではありません。

 楽天会長の三木谷浩史氏の名前もありましたが、こちらも三木谷氏個人によるベンチャー企業への間接出資に使われた可能性が高く、税務申告の内容に虚偽がなければ、その行為自体に違法性はないと考えた方がよいでしょう。税の申告をごまかす人や企業は、その場所が国内であれ、国外であれ一定数存在しますから、タックスヘイブンに特有の問題というわけではありません。

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最終更新:5月11日(水)15時11分

THE PAGE

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

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