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中国的出会いサイト事情 中国版オタク?「宅男」増える中で……

ZUU online 5月11日(水)11時10分配信

中国では結婚のハードルは高くなる一方だ。都市化の進展は人々を自由にした。人生は男女が協力して立ち向かい切り開く、厳しいものではなくなっている。

今は独身でも十分生活できる。苦労などわざわざ買ってまでする必要はない。人生はエンジョイしよう。そして世界中の大都市で、非婚・晩婚化が進行している。さらに中国の場合、女性が強いという要素が加わる。

■中国人女性の持つアドバンテージ

(1)数的な有利、(2)教育的な優位の2つについて、中国女性のアドバンテージを確認してみよう。

(1)について。出生男女比は、女100:男116~118くらいになっている。全人口の2014年データでは、女100:男105.06で男が3376万人多い。

今の出生男女比が続くとこの差はさらに拡大する。出生比のバランスが崩れたのは、1人っ子政策期間中、1人目女の子だった家庭が、より強く2人目を欲したからだ。1人っ子政策は昨年2人っ子政策に変更され、実際2人目を妊娠したという話はよく耳にする。

しかしこの傾向が続くなら、出生男女比は変わらない。

(2)について。高校(高等教育・大学、大学院、高専を指す)の卒業・就職者の数は女性の方が多い。沿海部・山東省の資料によると、2015年の高校卒就職者は、男22万5200人、女24万9300人となって、10%以上差がついている。

■伝統的な出会い

伝統的な出会いの形では、信頼できる人からの紹介というのが本流のようだ。筆者周辺の40歳代の中国人夫婦10組に、知り合ったきっかけを聞くと、
知人の紹介 4組
幼なじみ 1組
同級生 1組
社内恋愛 1組
取引先など仕事関係から 2組
という結果だった。

この人たちの時代にも、小さな結婚相談所はあった。またおせっかいなオジサン、オバサンたちも存在していた。しかし地元のごく狭い範囲でしか機能なかった。

これは結婚という結果を伴った出会いに限定しているが、そこまで至らないケースでも中国女性のリアリストぶりはやはり際立っている。

某成金家の女性は、あまり金のない男と交際していたが、相手について、父親が結婚にふさわしい相手を世話してくれるまでの「つなぎ」「ペット」であると公言していた。

■現代的な出会いサイト最大手「世紀佳縁」

若い人たちと出会い系サイトの現況はどうだろうか。ネット上には「有縁網」「縁来網」「珍愛網」「百合網」など様々なサイトが存在していて、どこでも簡単に会員登録できる。最大手と見られる「世紀佳縁」を見てみよう。

2003年に北京で会員1000人からスタートした「世紀佳縁交友網」は、5年後の08年末には会員数1900万人を突破、11年5月には、米国ナスダック市場に上場を果たす。同年6月末には会員数4550万人に。13年9月にはついに1億人を突破する。14年末には1億2600万人となった。

このときに実際のカップル成立に至ったのは1200万人だった。

世紀佳縁は、これまで中国大陸105の都市で、集団見合い、集団結婚式など1000人以上規模のイベントを100回以上行っている。

2015年2月、国家網信弁公室は、出会い系サイトを“厳粛管理”するため、数十の好ましからざる出会い系サイトを閉鎖した。また2015年12月、世紀佳縁は、同業の百合網を合併した。現在サイトに表示している会員数は1億3500万人である。

しかし問題も多い。世紀佳縁は実名制ではない。会員の多数は“厳粛”だが顧客資料は“厳密”ではない。事実と異なる、身高、イケメン、金持ち、をアピールしたり、“一夜情”を求めたりする輩、重婚や結婚詐欺の犯罪者、これらをシャットアウトするのは難しい。

この業態は成長から停滞期に入り、他社との差別化が必要となっている。例えば先の百合網はまだ存続していて、会員数9500万人、“実名婚恋網開創者”をうたい、実名登録者の多さをアピールしている。

取引先に結婚間近の20代女性が2人いたので、インタビューしてみた。

すると1人の相手は同級生、もう1人は紹介ということで40代の夫婦と変わらなかった。ここの地区人口は60万人くらい。出会い系サイトによる結縁は、上述の105都市に入る大都市でなければ難しそうだ。また見栄もあり、パートナーはあくまでも自分の力で見つけた、と言いたいようだ。サイトを利用したとは誰も言わないだろう。

■女性側の要求は天井知らず

中国でも「宅男」と呼ばれるあまり外出しない男性が増えている。とはいえ中国人は自己主張と交渉の訓練は積んでいて、交流することはできる。ガールフレンド段階なら問題はない。

しかし特別に高い能力を有していない20代の男の子を見ていると、ここから結婚までの道のりは果てしなく遠い。

女性側の要求は天井知らず。マンションを所有または買うメドがついていることは必須だ。車もしかり。共稼ぎのため料理の腕も必要だ。やさしさ、ユーモアもいる。

外見では、高身長またはイケメン、いずれか一つは欲しい。さらに教育レベルの高い女性は、自分より低い学歴の男性とは結婚したがらない。

逆に教育レベルの高い男性は、田舎の女性と結婚しようとすると両親が承知しない。

こうした儒教的な新・秩序感覚のせいで八方ふさがりである。もう純愛だけではどうにもならない。こうした現実を認め、年上バツイチの女性と結婚した男性もいる。互いに理想にとらわれないせいかうまくいっている。

とにかく当面の間、中国は結婚おもしろエピソードの宝庫であり続けるだろう。(高野悠介、現地在住の貿易コンサルタント)

最終更新:5月24日(火)16時30分

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