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『Halo Sport』で人の脳は活性化するのか - アルツハイマー病への活用視野に

ReadWrite Japan 5月11日(水)17時30分配信

あらゆるものが数量化されるこの世の中、IoTを使って昼夜にわたる健康状況のモニタリングを行う為のトラッカーの選択肢は数知れない。だがその中でも、ThyncやFisher Wallace Laboratoriesなど数少ない企業は、ウェアラブルデバイスを気だるさや鬱、不眠症などの脳の健康管理に活用しようという。

Halo Neuroから販売されるヘッドセット『Halo Sport』は、アスリート向けのヘッドフォンの様な見た目で、neuro-primingと呼ばれる頭蓋部を直流電気で刺激することで新たな神経回路の生成を促し、能力を向上するというものだ。このアプローチは科学的研究に深く裏付けされている。Halo Neuroは、20名の匆々たるメンバーで成り立っており、半分がエンジニア、残りは医者や神経科学者である。

そこで、Haloの共同設立者にしてCEOのDaniel Chao博士と、Halo Sportの仕組みや同社の新製品について話す機会があった。

彼は、neuro-primingに関する研究は試験担当者にも正解が知らされていない、管制された実験であり、その効力や安全性を実証するために1000名を動員して試されているものだと説明する。

「多くの人々は、我々が神経科学者たちは普通踏み込まないであろうアスリート市場に行き着いたことについて訪ねるが、これは単にデータに基づいた結果である。開始一年目は、製品や市場のことなど考えておらず、多くの人からデータを得て、そのデータによって我々は自分たちの市場や製品を決定していた。そこから、運動皮質に関する著作や自分たちの研究成果から、どういった人たちが運動皮質を刺激するものに興味を示すだろうかと考えだすようになった。
運動を制御するのは運動皮質なので、運動選手に目を向けるのは自然なことである。そこで、まず大学生から始め、徐々にオリンピック選手レベルまで取り組むようになり、それぞれに結果を積み重ねてきたのだ。」


■米国のスキー選手団で結果を残したHalo Sport

その結果は印象的なものとなった。Haloによって、学習能力は50%、全パフォーマンスは10%の向上を見せた。米国のスキー・スノーボード協会はHaloを採用し、結果選手達のパフォーマンスは1.7倍の向上を見せた。

https://www.youtube.com/embed/uW-ltuS6rXg

NFLからMLBに至るプロ選手達もHaloを使い、結果を残している。Haloの出荷は限定的なものだが、この秋には一般向けの予約販売を開始する。

Chao氏の前回手がけていたNeuroPaceという会社はFDAの認可を受けた、てんかん患者向けの脳を刺激する埋込み型デバイスを開発していた事を考えると、エリートアスリート達には最初、それは奇妙なものに写ったことだろう。

Chao博士は、スポーツにおいてエリートが他と異なる点はほんの些細な改善によるものだという。

「エリートアスリートの世界では、1-2%の改善というものは非常に大きなものである。例えば米国のスキーチームの世界選手権での話ですが、1位と2位、いうまでもなく20位との差は極僅かなのだ。」

Neuro Sportはプロアスリートだけでなくアマチュアにとっても役立つものだ。Chao博士自身がヘッドセットを自分で試してみたかについて興味が湧いた。

「おそらく100回は使っているだろう。私自身熱心な自転車乗りで、40代半ばの頃に打ち立てた自己記録は、なかなか敗れるものではないと思っている。最近は伸び悩んでいますがね。サンフランシスコの北には、サイクリストの間で名高い丘があるが、集中的なトレーニングを積んだ結果、自分の記録を15秒上回ることが出来たのは誇りである。」彼はそう応えた。

Haloは、既に脳卒中で倒れた患者の回復を早めるための研究で、幾つかの病院で使われ始めている。米軍のパイロットやスナイパーのトレーニングも、Halo Sportと同じような技術で50%早く進むようになった。Haloは今後、記憶力の改善のためのモデルをリリースすることを予定しており、これによりアルツハイマー病患者が良くなることが期待出来るかも知れない。

ReadWriteJapan編集部

最終更新:5月11日(水)17時30分

ReadWrite Japan