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混乱のブラジル政界 大統領罷免審議継続へ上院採決 運命の日 ジウマ大統領180日停職は不可避か

ニッケイ新聞 5月11日(水)20時45分配信

【既報関連】上院での特別委員会も終わり、大統領罷免審議継続の是非を問う採決を2日後に控えた9日昼前に、ヴァウジール・マラニョン下院議長代行(進歩党・PP)が行った「4・17下院での罷免投票は無効」宣言は、ブラジル政界に大混乱を引き起こしたが、その後レナン・カリェイロス上院議長(民主運動党・PMDB)が上院での審議続行を宣言し、終結を見た。今日11日行われる、罷免審議継続の是非を問う投票を目前に控えた様子を10日付現地紙が報じた。

 マラニョン下院議長代行の行動の裏には、先週5日に最高裁がエドゥアルド・クーニャ下院議長(PMDB)の同職解任を決めた後に始まった、ジョゼ・エドゥアルド・カルドーゾ総弁護庁(AGU)長官と、マラニョン氏の地元、マラニョン州のフラヴィオ・ジーノ知事(ブラジル共産党・PCdoB)の説得工作があったと見られている。
 カルドーゾ長官は9日、6日にマラニョン氏と会ったことと、8日夜にはジーノ知事も同席の上で会談したことを認めたが、圧力を加えたことはないと明言した。
 
 レナン・カリェイロス上院議長は週末を地元アラゴアス州で過ごし、マラニョン氏が〃爆弾宣言〃を行った時はまだアラゴアス州にいた。知らせを受けた同議長は、午後1時には機上の人となり、ブラジリアに戻った。
 
 同議長は罷免審議を下院に差し戻せとの要請の扱いを各党代表者や上院書記と話し合った結果、「(4月17日の投票結果は無効で大統領罷免審議を下院に差し戻すという)タチの悪い冗談は受け入れられない」と語った。この言葉に憤慨したジウマ大統領派上議達は同議長に詰め寄り会議中断を求めたが、同議長は「あなた方が好きなように叫べるよう、2分間中断」と返し、2分後に議事を再開した。
 
 罷免手続きの頓挫は難しいと知る大統領側は、連邦最高裁に「4・17無効宣言」の受理を求めて時間稼ぎをしようとしたが、マラニョン氏は10日未明に、9日に行った「4・17無効宣言」を取り消しており、この策も無効となった。
 
 最高裁判事たちは三権分立の原則から議会内の騒動には介入しない意向を示しているが、ジウマル・メンデス判事はコメントを求められ、「マラニョン下院議長代行がふざけているのでないとしたら、(下院4・17投票結果の無効化は)犯罪的行為だ」と発言。カルドーゾ長官に対しても「カルドーゾ長官の言動も含め、低レベルの法的騒動を恥ずかしく思う」と批判した。
 
 今日11日は上院でジウマ大統領罷免審議継続の是非を問う投票が行われ、全上議81人中、過半数の41人が賛成すれば、罷免手続きの開始とジウマ大統領の180日間の停職が確定する。
 
 罷免手続き開始が確定すると、大統領には停職が通達され、罷免特別委員会がジウマ大統領に対する起訴内容を吟味する作業に入る。委員会が大統領への罪状を認め、弾劾裁判開始が妥当と判断、本会議が過半数でその見解を支持すれば大統領は被告となり、最高裁長官の指揮の下での弾劾裁判が始まる。

最終更新:5月11日(水)20時45分

ニッケイ新聞

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

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昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。