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シャープが純損失2559億円で2期連続の赤字、債務超過に

THE PAGE 5月12日(木)23時25分配信

 台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業の傘下に入ることが決まっているシャープは12日、2015年度通期の連結業績(2015年4月~2016月3月)を発表した。売上高は、前年比11.7%減の2兆4615億8900万円。純損失は2559億7200万円となり、前年の2223億4700万円から赤字が拡大した。赤字は2期連続で、負債が資産を上回る債務超過に陥った。

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買収は6月末の手続き完了を目指す

 分野別の売上高では、液晶パネルのディスプレイデバイス、テレビや携帯電話などのコンシューマーエレクトロニクス、太陽電池などのエネルギーソリューションの3分野で、前年比2桁減となった。特に、エネルギーソリューション分野は、太陽光パネルの需要が産業用・民生用ともに低迷し、前年比42.1%と大幅に落ち込んだ。また、ディスプレイデバイスは、中国市場のスマートフォン用中小型液晶パネル、テレビ用大型パネルの販売減と価格下落が響き、低調に推移した。

 業績の低迷や構造改革の費用も重なり、自己資本比率は前年末の1.5%から2015年度末はマイナス2.7%となった。なお、同社によると、鴻海からの買収金額が払い込まれれば債務超過は解消されるとしている。

 鴻海による買収は、株主総会での承認を経て6月末までの手続き完了を目指す。2017年度の業績見通しは、現時点で鴻海との提携による効果が具体的に算定できないため、手続き完了後に公表する。

 今後、本社の堺事業所(大阪府堺市)への移転や、鴻海の拠点活用による海外拠点の集約、事業部の再編などの構造改革を進める。このうち、人事制度については、買収手続き完了後、管理職や一般社員に対して行ってきた給与削減を廃止する方針を打ち出している。

 シャープでは過去、2012年と2015年に希望退職を募集し、計約6000人強が同社を去った。同日の決算発表後に会見した高橋社長は、「それ以外にも自己都合で退職した社員もおり、人材の流出には危機感を持っている。給与削減の廃止などの施策は、短期的に違和感を覚える株主もおられると思うが、長期的には優秀な人材の流出を防ぐことになる。それがシャープの再生に大きな意味を持つ」として、成果に報いる人事制度確立の重要性を強調した。

 追加リストラについて、高橋社長は「今後何年にもわたっての話ではないが、鴻海との協議の中では、すぐに希望退職を募ろうという話になっていない」として、直近のリストラ実施の可能性は低いとの見解を示した。また、海外拠点については、「鴻海は、中国に拠点が多数あるので、どう削減していけるかをしっかり見ていきたい」として、鴻海と機能が重複する拠点については人材の配置転換などを実施する考えを述べた。

(取材・文/具志堅浩二)

最終更新:5月12日(木)23時25分

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