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“本物のFTISLANDのアルバム”『N.W.U』を引っさげた全国ツアー/レポート

エキサイトミュージック 5月12日(木)18時30分配信

 
■FTISLAND/【FTISLAND Arena Tour 2016 -Law of FTISLAND:N.W.U -】ライブレポート
2016.04.29(FRI) at 東京体育館
(※画像7点)

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「僕らは何百回と聴いたから、早く皆さんに聴かせたかったんです」(ホンギ)

5月20日(金)の愛知・日本ガイシホール公演、そして追加公演として6月24日(金)に日本武道館で開催されるファイナルを控えた、『FTISLAND Arena Tour 2016 -Law of FTISLAND:N.W.U -』。これから参加される方の楽しみを低減しないよう、本レポートでは詳細な記述を控え、4月29日(金・祝)の東京体育館・2デイズ初日に感じ取った熱量、空気感にフォーカスしてお伝えする。



後輩バンドN.Flyingのオープニングアクトに続き、FTISLANDのメンバーが登場。最新アルバム『N.W.U』からの楽曲を中心に、冒頭から飛ばしていく。「みんな知ってるはず! もっと大きい声、出してみよう!」など、しばしば観客を煽っては巻き込んでいくイ・ホンギ(Vo)は、「気持ちよく歌おうと思って、自分のピッチ(音程)のマックスでつくった」と、アルバムの楽曲制作を振り返りつつ、「でも、ライブでは(音が高くて)つらいね(笑)」と笑わせた。

『N.W.U』 はオリコン・ウィークリーチャート3位という好成績を記録しているため、「今回のアルバム、反応が良かったから感謝しています」と拍手しつつ深くお辞儀すると、「僕らは何百回と聴いたから、早く皆さんに聴かせたかったんです」とホンギ。ツアーは4月27日(水)の大阪城ホール公演からスタートしており、中国での活動も併せるとタイトなスケジュールとなり焦ったそうだが、ホンギは「お酒やめたんですよ!」と、ストイックな自分を褒めてくれと言わんばかりに胸を張る。すると、「それが基本だよ!」とチェ・ジョンフン(Gt, Key)がすかさずツッコミ。MCも含め、メンバー間の呼吸も、いつにもましてピッタリと合っている。
 


彼らのロックバンドとしての進化を実感したのは、アッパーな楽曲でただ盛り上げるというだけではなく、アルバムに収録されている新曲群をしっかりとしたアレンジと演奏で聴かせたブロック。明るさ、ポップさ、激しさといった要素に加えて、重厚さ、哀切、気怠さなど、表現されている感情の幅が飛躍的に広がっていて、それを具現化する実力もグッと伸びている印象だ。

ライブの最初から終わりまで全く不安を感じさせない伸びやかなヴォーカルを聴かせた、エフェクターを用いて声を変えて楽しませる場面ではソロ活動からのフィードバックも感じさせ、生き生きと輝いていたホンギ。複雑な展開にもビクともしない盤石なリズムキープを見せたチェ・ミンファン(Dr)(ホンギ兄さんが曲順を間違えないよう、こっそりインカムで曲名を教える、という優しい一面は相変わらず)。リズム隊としてミンファンの傍で地盤を固めながら、繊細さ、透明感が一層増した歌声を響かせたイ・ジェジン(Ba,Vo)。この日の『めざましテレビ』で“ハンバーグ師匠”ことスピードワゴン井戸田潤と共演し、「ハンバーグ!」のギャグを披露したことを誇らしげに語りながら、男っぽさの増した硬派なギタープレイを聴かせたソン・スンヒョン(Gt,Vo)。ギター、ピアノを駆使して豊かな感情表現を繰り広げ、バンド全体を温かく見守る頼もしいリーダー、ジョンフン。それぞれに目覚ましい成長があり、バンド全体が織り成すグルーヴも、より強靭なものへと変化していた。


『N.W.U』は全曲メンバーが作詞・作曲を手掛けたアルバムであることにも触れ、「これが本物のFTISLANDのアルバムじゃないかな?」というジョンフンのコメントも飛び出し、随所から彼らの強い自信が伝わってくる。また、ヒットシングル「PUPPY」では大いに会場が湧き、セットリストに小気味よい起伏を与えていて、ファンクな曲調に挑戦したことの意義を改めて認識。

さらに、曲単体だけでなく、曲と曲とを繋ぐSEの使い方にもこだわりが感じられ、その試みに関して「どうでした?」(ホンギ)と観客に語り掛ける場面も。これは前回のアリーナツアーでも感じたことだが、バンドとして、まずは自分たちの描きたいイメージをしっかりと練り上げて、ファンに投げ掛け、その反応を楽しもうとする意欲と余裕を、この日のライブ全編から受け取ることができた。


今、バンドとして勢いに乗っていることが明確に伝わって来た、この東京初日公演。ファンへの想いを綴った「We are…」には込み上げるものがあり、日本でのメジャーデビュー5周年を終えて芽生えた、ファンへの揺るぎない信頼を感じ取ることもできた。ここから彼らはファイナルに向けて更なる工夫を施し、ますます練り上げたステージを準備しているとだろう。今後どれほどの進化・発展を見せるのか、想像するだけで胸が高鳴る。
(取材・文/大前多恵)

最終更新:5月13日(金)18時15分

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