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Appleの未来はハードウェアではなく「サービス」にかかっている

ReadWrite Japan 5月12日(木)6時30分配信

2003年以来初めてiPhoneの売上が下落を見せた。専門家たちは、そのニュースを“Appleが栄華を誇った時代の終わりの始まり”を告げるものだと捉えている。

そして、あるアナリストはこう言っている。「Appleについてただ一つはっきり言えることは、同社は過去のレガシーやハードウェア製品で市場を飽和させてしまい、介入可能性のある市場をほぼすべて掌握してしまったということだ。」

しかし、この認識は事実とは大いに異なっている。

彼らアナリストたちが見落としていると思われるところは、AppleのiPhoneビジネスの未来は“ハードウェアではなくサービスに掛かっている”という点だ。Appleは、ハードウェアから毎回莫大な売上(そして利益)を上げているが、この四半期でそれに次いで利益を上げているカテゴリは、App StoreやApple Musicの売上、Apple Payといった「サービス」である。これらのビジネスは急成長しており、デバイスの売上の伸びに依存しない。


■Appleは終わるのか

Appleの第二四半期における業績低迷に驚いた人はいないだろう。
遡ること1月、Appleは2007年のiPhone登場以来、利益の伸びが最小となったことを報告し、第二四半期の業績はここ13年で初めて下降を見せるかも知れないと警告していたからだ。アナリストたちはその様子を手をこまねいて見ていたが、第二四半期にいよいよその報告が発表されるまで何もすることはなかった。

こうなったのはAppleだけではない。Strategy Analyticsによれば、世界中のスマートフォンの出荷も3億4500万台から3億3460万台へと初めて下落したという。iPhoneについては、6117万台から5119万台の下落となった。

ZDNetのJason Perlog氏は、Appleの将来について「Huawei、ZTE、Xiaomiといった廉価な製品を作る企業が支配する中国のような国で、Appleが市場を開拓することは困難がつきまとう」と述べている。

Appleは、高所得者相手に商品を販売することが出来ることを実際に彼ら向けの市場を開拓することで何度も証明してきたが、Perlow氏が言うことは正しいだろう。

だが、他のアナリスト達のようにPerlow氏の分析には過ちがある。それは、「かつてのPC業界と同じく、スマートフォン/モバイル業界はすでに成熟しきったものであり、今後さらにそこで新たなことを始められるような余地はほぼ無い」という認識である。しかし、実のところ、新規開拓の余地は残されているといえる。それは、携帯や携帯とワイヤレスでつながるサーバ上に存在している。それこそが、Appleの頭上に再び金の雨が降る可能性である。


■Appleのサービス能力が目を覚ます

iPhoneの出荷量は鈍化を続けているが、その利用については加速を続けている。Appleの判断によると、そういった利用は、過去90日以内にサービス(iTunesやAppStoreなど)を購入したユーザである「エンゲージドユーザ」によるものだと判断している。第一四半期のエンゲージドユーザの増加は25%、サービスによる収益は55億ドルに登った。年間では、15%増となった。

第二四半期ではより多くのサービスの購入があり、60億ドルと20%伸び、過去最高の売上を見せた。
CEOのティム・クック氏は、業績発表会で「App Storeの収益は、これまでの最高額を記録した2016年第一四半期から35%の伸びを見せ、Apple Musicもこれまで下降傾向にあったものが1300万人以上の購入者を獲得するようになった。」と明らかにした。興味深いのはここからで、クック氏によればAppleの将来を読み解くには、デバイスとそこで動くサービスを切り離す必要があるという。

”サービスビジネスは、アクティブデバイスの巨大なインストールベースを前提としている。そして、今年の始めには10億台を突破した。これらのアクティブデバイスは継続的な収益を上げる源泉となっており、その収益は四半期ごとに発表しているデバイスの出荷量に依存していない。現に、サービスの販売額は3月時点で昨年から27%伸びており、12月時点に発表した24%の成長からさらに加速している。”

そして、Appleが提供しているサービスの中で最も将来性があり、人々が日々の生活でも使い始めたものといえばApple Payが挙げられるだろう。クック氏は、Apple Payの成功を絶賛しており、「Apple Payは著しい勢いで伸びており、取引量は昨年と比べて5倍になった。週あたり100万人の新しいユーザを獲得している。」と述べている。

この5倍の伸びは、クック氏が次のとおり第一四半期で発表したこととも合致している。「2015年後半には顕著な利用の伸びが期待でき、2015年前半の10倍の成長率を達成できるだろう。」

そういえば、同社のCFO ルカ・マエストリ氏は、Appleの他の業績は十分でないのだと言わんばかりに次のように述べている。「サービスビジネスの業績はAppleの他の事業の平均と比べて高いものです。」

まとめると、iPhoneの時代が終わったかどうかは問題ではない。Apple Watchなどについても今後強化されていくことだろう。だが、これらのデバイス上で動くサービスが中心になっていく中、デバイスの売上ばかりに目を向けるのは止めるべきである。

この方面において、Appleは大きな進歩を続けている。そして、これは話のほんの始まりに過ぎない。さらに、忘れてはいけない重要なことが一つある。それは、Samsung、Google、Facebookなどの他社において、こういったユーザが満足するリッチなサービスエコシステムを提供できているところは未だに現れていないということだ。

ReadWriteJapan編集部

最終更新:5月12日(木)6時30分

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