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LAMP IN TERREN、スリーマンツアー最終日に覗かせた多様性

MusicVoice 5月12日(木)14時10分配信

 4人組ロックバンドのLAMP IN TERRENが4月17日、東京・代官山UNITで『One-Two-Three, For!! TOUR 2016』のツアーファイナル公演を開催した。昨年3月に渋谷O-nest、名古屋ell.SIZE、梅田Zeelaを回る同名ツアーをおこなった同世代バンド、SHE'SとHOWL BE QUIETとのスリーマンツアーの最終日。今年は更に福岡、広島、仙台が加わり全国6公演をおこなった。5月3日にリリースされるシングル「innocence」や出演者全員との桑田佳祐の大ヒットシングル「波乗りジョニー」のカバーなどを披露し、バラエティに富んだステージで観客を魅了した。

 日曜日の夕刻、買い物客で賑わう街の一角で多くの若い女性が列をなしていた。その行列の先には代官山UNITがある。少し蒸し暑い曇り空の下、早くもライブTシャツを身に纏い、ツアータオルを頭から掛けるファンの姿は、まるで暖かい南の島の海沿いに訪れたような気分を引き起こさせる。階段を下り、会場に降りると、多くの観客の熱気が会場に溢れていた。

■完成度の高い大型新人SHE’S

 会場が暗転し、歓声が起きる中SHE'Sが登場。大阪で井上竜馬(Vo、Key)を中心に服部栞汰(Gt)、広瀬臣吾(Ba)、木村雅人(Dr)の4人で結成された、ピアノロックバンド。挨拶代わりに「Un-science」を演奏。ピアノの旋律にバンドサウンドが重なり、壮大なメロディを紡ぐ。「Evergreen」では会場から自然に手拍子が起こる。一体感の高まった中、最後に演奏された「遠くまで」で会場からシンガロングまで引き出した。6月にはメジャーデビューが控えているが、既に予想を超える完成度の高さを見せられ、驚かされた。

■楽曲の幅広さをみせたHOWL BE QUIET

 竹縄航太(Vo、Gt、Piano)、黒木健志(Gt)、橋本佳紀(Ba)、岩野亨(Dr)の四人組ピアノロックバンド、HOWL BE QUIETが米映画『スターウォーズ』のオープニングSEと共に登場。「どうも、HOWL BE QUIETです。最高の夜にしましょう」と挨拶。「PERFECT LOSER」では、マーチのような愉しげなサウンドと、高く抜けるボーカルとPOPなメロディで観客を踊らせる。最後は「A.I.」でピアノベースの切ないバラードも披露し、楽曲の幅広さも見せてくれた。

■ライブバンドとして魅せる感情のサウンド

 この日のトリを務めるのは、LAMP IN TERREN。真っ赤なシャツを羽織った松本大(Vo、Gt)のギターのダウンストロークから、語りかけるような歌唱で始まる「portrait」を披露。松本が「最高の音楽を鳴らそう、よろしく」と挨拶すると「ランデヴー」を立て続けに演奏。大屋真太郎(Gt)がギターソロを決め、ジャズマスターを掲げた。そのまま「林檎の理」で畳み掛ける。Bメロからサビに入る前に川口大喜(Dr)のバスドラに合わせ、手拍子が会場から巻き起こった。

 「ただいま!」と松本が改めて挨拶を交わすと「おかえり!」と観客から声が上がる。松本は「今日は集まってくれてどうもありがとう! 話したいことは沢山あって3時間くらい話せるけど、今日はライブをしにきたので、どんどん曲やってもいいですか?」と観客に尋ねると、会場から拍手のレスポンスが返る。そして、5月3日に1stシングルとしてリリースされる「innocence」を披露。この楽曲は5月6日より公開されるアニメ映画『亜人 -衝突- 』の主題歌になっている。中原健仁(Ba)のベースが荒々しくうねり、大屋のギターと川口のドラム、そして、松本の声が研ぎ澄まされたように響き、剥き出しの感情の塊のようなものを眺めている様な感覚に陥る。観客も心を掴まれたように、ステージを観入っていた。

 松本が「人生はいつ何があるか分からない。でも今この瞬間しか、自分で感じることはできない。目の前にあることを楽しんで下さい。音楽はみんなをひとつにする魔法だと思って曲を作ったので、聴いて下さい」と観客に語りかけ、5月3日のシングルに収録される新曲「キャラバン」を披露。アップテンポのビートに軽快なギターリフがのる爽やかなロックナンバーに会場は手拍子で応えた。熱気も冷めやらぬまま、松本は「LAMP IN TERRENでした。ありがとう、またね」とメンバーと共にステージを去り本編を終えた。

 まだまだ物足りない観客のアンコールの手拍子の中、再びLAMP IN TERRENが登場。中原が「アンコールありがとう!」と感謝を述べると、観客から歓声が上がった。松本は「アンコールについて説明します」と今回のツアーは6カ所でそれぞれの出演バンドのカバーを披露していることを説明。最近やっと素直に歌詞が書けるようになったと語る松本が「自分が言いたくても、言えないことを言ってくれている曲」だという、SHE’Sの「Un-science」をカバー。

 大屋のディレイの掛かったギターサウンドと松本の力強いボーカルが、SHE'Sとはまた違った曲の魅力を引き出した。続けて演奏されたLAMP IN TERRENの「multiverse」では観客が拳を上げて「ウォーウォー ウォウォウォウ ウォーウォー」の大合唱が巻き起こった。曲の最後には、松本がSHE'SとHOWL BE QUIETのメンバー、出演者全員をステージに呼び込み、文字通り会場は一体となった。

最後は桑田佳祐の「波乗りジョニー」を3バンドでカバーするというサプライズも。まだ季節は春だが、観客は一足早い夏の訪れを楽しむかのように飛び跳ねていた。この日のステージを終え、最後は出演者と観客で記念撮影をおこない、なごやかな雰囲気のままツアー最終公演は幕を閉じた。

 この日のバラエティに富んだ公演に観客も満足した様子だった。どのバンドも三者三様、しかし、20代の勢いと、その若さからは掛け離れたような完成度の高さを見せてくれた。彼らがこれからどんな大きな波を音楽シーンに巻き起こすのか、楽しみである。(取材・松尾模糊)



セットリスト

『One-Two-Three,For!! TOUR 2016』

4月17日 代官山UNIT

SHE’S セットリスト

01.Un-science
02.Change
03.ワンシーン
04.Voice
05.Evergreen
06.遠くまで

HOWL BE QUIET セットリスト

01.From Birdcage
02.PERFECT LOSER
03.ライブオアライブ
04.Daily Darling
05.レジスタンス
06.MONSTER WORLD
07.A.I.

LAMP IN TERREN セットリスト
01.portrait
02.ランデヴー
03.林檎の理
04.innocence
05.緑閃光
06.キャラバン

ENCORE

En1.Un-science(SHE’Sカバー)
En2.multiverse

W-en.波乗りジョニー(桑田佳祐カバー・出演者全員)

最終更新:5月12日(木)14時10分

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