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生命保険は「If Die」(死ぬリスク)から「If Live」(生きるリスク)へ 広がる就業不能保険

マネーの達人 5月12日(木)5時2分配信

一昔前の生保の営業現場では、「If Die」が主流

「もしご主人に万が一があった時、大丈夫ですか?」

私が外資系保険会社に中途入社した時に暗記させられたスクリプト(営業トーク集)には、運動会の日にコンビニの袋に入った弁当を持たされる小学生が登場する。

「休日の運動会にも関わらず、弁当を作ってあげることもできないくらい忙しい未亡人になりたくはありませんよね?」

そのようなイメージをお客さんに植え付けるようなストーリー展開がスクリプトにちりばめられていた。

その当時、大手生保のセールスレディによる生保販売が主流だった頃だ。生命保険の販売は、まだまだ「If Die」(死ぬリスク)営業トークの全盛の時代であった。

外資系生保の登場で日本の生保市場は激変

外資系生保は、第三分野の保険(医療保険やがん保険など)で攻勢をかけ、一気に第三分野市場を開拓した。

その後、損保系生保なども交えた「If Live」関連の商品開発が激化、日本の生保市場は加速度的に変化してきたのだ。
 
単体の医療保険やがん保険に加入する者が増え、三大疾病になった場合や介護状態になった時に備える保険に加入する契約者も増加。
 
生命保険は「死ぬリスク」よりも「生きるリスク」に重点をおいた商品の方が売れる時代になってきたのだ。

「If Live」の最大リスクである「働けなくなるリスク」に着目した保険商品

重い病気やケガなどで働くことができず、長期に渡って収入が途絶えた場合、入院や手術のための医療保険や遺族のための死亡保険ではカバーできない。

国の障害年金の1級や2級に該当した場合や、65歳以上で介護認定を受けた場合は、ある程度の保障はあるが、これらに該当しない場合は、公的な保障は受けられないのが現状だ。
 
「働けなくなるリスク」を保障する「就業不能保険」として、日立キャピタル損保の「リビングエール」やライフネット生命の「働く人への保険」が先行してきた。

これらの保険は、「いかなる仕事にも全く従事できない状態」と医師による診断がなければ、給付金が受取れない。

ところが、最近の「就業不能保険」は進化してきている。

■太陽生命「働けなくなったときの保険」
 
今年3月に発売された太陽生命の「働けなくなったときの保険」は、日常生活の歩行、着替え、入浴、食事、トイレのうち2項目で介助が必要になれば就業不能とみなし、あらかじめ設定した年齢まで毎月保険金が出る。

■T&Dフィナンシャル生命の「働くあなたにやさしい保険」

昨年12月に発売されたT&Dフィナンシャル生命の「働くあなたにやさしい保険」は、所定のがん、脳卒中、急性心筋梗塞を原因とする就業不能に該当すれば、設定した年齢まで給付される保険だ。

また、東京海上日動あんしん生命やチューリッヒ生命は、新発売の医療保険に「就業不能特約」を付加できる。

就業不能保険(特約)の注意点

これらの就業不能保険(特約)の新商品は、保障範囲は広くなっているが、その分保険料は割高だ。

また、複雑な商品設計だけに、保険会社独自基準である支払い条件をよく確かめて契約する必要がある。(執筆者:釜口 博)

最終更新:5月12日(木)5時2分

マネーの達人