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鈴木亮平、ストイックな役者道の原点は“門前払い”

dmenu映画 5月12日(木)20時0分配信

伝説的少年漫画を映画化したシリーズ第2弾『HK/変態仮面 アブノーマル・クライシス』に主演する、俳優の鈴木亮平。前作から3年、パワーアップしたのは作品規模や世界観だけではない。続投キャスト陣も役者として大きく飛躍。その筆頭は誰であろう、鈴木だ。TBS系連続ドラマ「天皇の料理番」や主演映画『俺物語!!』での役作りは話題となり、演技そのものも高く評価された。もちろん本作でもヒュー・ジャックマンばりの鍛え上げられた肉体をさらす。役に向き合い、役との同化をストイックなまでに貫徹しようとする、その“役者道”。原点には一体何があるのか。

2006年のテレビドラマ「レガッタ~君といた永遠~」での本格的俳優デビューから今年で10年目となるが、鈴木は「役者を職人として捉えるならば、最初の10年なんてまだまだ見習い。ここから自分をどれだけ高めていけるかが勝負」と節目を意識せず、周囲の称賛に甘んじて止まるようなことはない。今でこそ飛ぶ鳥を落とす勢いだが、10年よりも前のまだ無名だったころ。俳優になりたい一心で芸能事務所を一つ一つ原付バイクで周り、自らを売り込んだ。その数約50社。しかしどれも書類選考さえ通らなかった。

門前払いの苦節時代は「根拠のない自信を奮い立たせて、ここでヘコんだ人間は厳しい芸能界で生き残ることはできない、と自分に言い聞かせる事の繰り返しだった」と振り返る。しかしこの苦い経験が、俳優としての鈴木のベースとなる。「そもそも俳優は人に否定される仕事でもあると思うんです。今だってオーディションに受かるよりも落ちる事の方が多い。オーディションに受かって仕事が出来ても、今度は世間から否定されることもある。この否定を自分のパワーに変える事は、無名時代に覚えました」と、悔しさをバネにする思考回路を整備した。

根拠のない自信と共に持っていたのは、“なにクソ根性”だ。「負けず嫌いの気持ちは必要だし、“絶対に見返してやる!”という、なにクソ根性も大切。オーディションで自分を落とした人の顔は全員覚えています。でもそれから数年後に一緒に仕事が出来たりすると、それは何よりも嬉しい出来事になる」と実感を込める。このサイクルを鈴木は「ツンデレの連続」と表す。いざ仕事で再会した時に相手から「実はずっと印象に残っていた」と言われる事が多いという。「オーディションに落とされて“あの監督め、忘れないぞ!”と思っていたものが、いざそんな優しい言葉をかけられたりすると“それを早く言ってよ~”となる。そのツンデレには結構やられていて、余計好きになってしまう」と笑う。その再会や気持ちが、役を生きる上でのモチベーションとなり、演じる熱量となる。

最新主演作『HK/変態仮面 アブノーマル・クライシス』で前作に引き続き演じるのは、ヒロイン・愛子の純白パンティを顔にかぶると、ほぼ全裸のヒーロー・変態仮面になる色丞狂介。「最初から福田雄一監督と3部作のトリロジーにしなければ意味がないと話していたので、続編が製作されるのは念願叶った形。くだらなさは前作同様ですが、すべてがパワーアップ。アメコミ・ヒーローの枠組みを借りながらも、主人公だけが変態という世界観を実現させた本気の作りになっています」と胸を張る。肉体も“変態仮面”仕様に鍛え上げ、腰回りの動きは社交ダンスで作りこんだ。「前回の真冬の撮影に比べて今回は夏でしたから、逆に裸で過ごしやすかった。アクション・シーンは吹き替えなし。時間をかけて作り上げることが出来たし、気候にも助けられてアクションのキレも格段に上がった」と全力投球でキャラクターを体現した。

前作は日本のみならず、アジア、ヨーロッパなど13ヶ国で上映され、特に台湾では大ヒットを記録。鈴木は「今回も公開するすべての国で台湾レベルの熱狂度を生み出したい」と世界に標準を合わせながら「色々な国の人と仕事がしたいので、この作品をきっかけに僕の事を知ってほしい。ただ僕自身は意外と真面目なので、『変態仮面』のイメージで呼ばれたら、ギャップにガッカリされるかもしれないけれど」と一抹の不安を抱きつつも、国と地域にこだわらず、あらゆる方面からのラブコールを受けて立つ構えだ。

(取材・文/石井隼人)

最終更新:5月12日(木)20時0分

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