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青果 鮮度2倍長持ち 湿度95%超で冷蔵 北九州青果のグループ会社

日本農業新聞 5月12日(木)13時0分配信

 福岡県北九州市の青果卸、北九州青果(株)のグループ会社、マルキタフーズ(株)は、青果物を保管する冷蔵庫の湿度を95%以上に保つことで、鮮度保持期間を約2倍に延ばす技術を確立した。冷蔵庫内の湿度と温度を調節し、野菜・果実の呼吸や蒸散を抑制することで、日持ちが向上する。野菜を新鮮な状態で消費地に届けやすくなる他、青果物を長期保存して一時的に出荷調整し、安定供給につなげていく活用法も期待される。

 野菜や果実は収穫後に蒸散や呼吸をすることで水分が失われ、鮮度が落ちる。同社は、蒸散を防ぐために、冷蔵庫内の湿度を100%近くに調節する気化式湿度発生機「コスモファン」を開発。通常の冷蔵庫に設置し、鮮度保持期間を品目によって1・5~2倍に延長することを可能にした。

 実証実験は、農水省の2015年度青果物流通システム高度化事業を活用し、佐賀県と熊本県などで行った。

 熊本県のJAやつしろでは15年8月21日~9月9日の間、同装置を使ってレタスを保管し、外見や食味などを調べた。結果、従来は保存期間が7日程度だったのに対し、同技術を使うと19日間となり、2.5倍長く鮮度を保持できた。水分量も従来の7%減に比べ、4%減にとどまった。

 装置は3サイズを用意。価格は48万~120万円(税別)。北九州青果グループ内で16台、全国で約50台導入が進む。今後、JAや農業生産法人(農地所有適格法人)などに売り込み、産地と流通業界一体で鮮度意識の向上を目指す。鮮度の長期化を生かし、輸出にも活用したい考えだ。

 同青果の林啓祐顧問は「消費地には、新鮮な商品を提供できる。生産者には、豊作時の出荷調整として使うことで、天候に左右されず青果物の安定供給ができる」と話す。(木原涼子)

日本農業新聞

最終更新:5月12日(木)13時0分

日本農業新聞