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新日鉄住金ステンレス、鋼板価格安定化へアロイリンク方式見直し

鉄鋼新聞 5月12日(木)6時0分配信

 新日鉄住金ステンレス(NSSC)は11日、鋼板店売りに適用しているアロイリンク方式を5月契約分から一部見直すと発表した。LMEニッケル価格が低位安定期に入ったタイミングを見計らい、自社の店売り向け鋼板価格がより安定する方式に見直す。ニッケル原料価格の転嫁範囲(下限)を「LMEニッケル価格(ポンド当たり)5・18ドル以上」から「3ドル超」、計算式の前提とする原料算定期間を「前月平均」から「前2カ月平均」に変更する。

 NSSCは鋼板店売りのアロイリンク方式運用に関し、ニッケル価格暴落やリーマンショック後の大減産に直面していた2008年12月、適用下限を3ドル超から5・18ドル以上に変更。10年1月には原料前提を前2カ月平均から前月平均に変更した。
 直近では昨年8月以降、LMEニッケル価格が5・18ドルを下回り軟調推移した中で、薄板は5・18ドル下限ルールを適用して価格据え置き策を継続。ただ08年の下限ルール変更時とは需給状況などが大きく異なる中で、厚板は原料価格連動を続けてきた。
 店売り市場で薄板はリピート性が高く、厚板は物件対応の切板需要が大半を占めるという違いはあるが、薄板と厚板で異なる店売り価格政策に戸惑う向きもあった。
 足元のLMEニッケル価格は4ドル近辺で低位安定しており、当面も大きく変動する見込みは薄い。下限を3ドル超に引き下げても鋼板価格が乱高下する可能性は乏しく、原料前提期間を拡大することによる安定化も見込める。
 今回の見直しでアロイリンク方式の内容を約10年前と同じに戻すが、「ニッケル原料価格が低位安定する時代に適したアロイリンク方式は何か」を追求した結果だ。瀬藤尚哉取締役執行役員営業本部長は「店売り鋼板価格がより安定する方向に見直した。薄板と厚板でアロイリンク方式の運用が異なる状況を変える必要があるとも考えていた。今後も粛々とアロイリンク方式に基づく運用を続けたい」とする。
 鋼板店売り価格の改定・公表を毎月行わず間隔を空けることも検討したが、「ステンレスの総コストに占める原料比率は高い。アロイ変動に対する感性はこの産業に必要であり、指標性のある持続可能な制度として運用したい」(同)として、毎月公表の仕組みを維持する。

最終更新:5月12日(木)6時0分

鉄鋼新聞