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巷でよく聞く「相続税に関するうまい方法」は本当なのか

マネーの達人 5月12日(木)5時32分配信

相続税を少なくするうまい方法と称して、次のような話を聞きます。

その内容について検証してみます。

「相続財産は、現預金で持っていると相続税が高くなるので損」

この考えは、相続財産の評価の仕組みのことを言っているものと思われます。

相続財産の評価において、現金・預貯金は基本的にその額面通りの金額で評価されます。

これに対して、不動産のうち土地の評価は、路線価評価又は倍率評価であり一般的には時価の8割程度と言われています。家屋の評価は、固定資産税評価額×1であり時価の6割から7割程度と言われています。

例えば、1億円の現預金で土地を買った場合、その評価が8割程度となることにより財産全体の評価額が圧縮され相続税の節税になるというものです。

この方法は、うまい方法と言えるでしょうか。

うまい方法と言えるかどうかはケースバイケースで、財産を残す人の財産構成により異なります。

相続税は原則的に、相続開始から10か月以内に現金で納付します。

現預金・保険金その換金性の高い資産が多く、納税資金はすでにあるという人にとっては有効な方法といえるでしょう。

しかしこれら換金性の高い資産で納税額が不足するような人は、不動産を購入するというこの選択肢は賢明ではありません。

現預金に比べると不動産は換金性が低く、分割するにも厄介です。逆に換金性の高い資産は、納税資金としても使え、かつ分割もしやすいというメリットがあります。

納税資金が不足する人は、まずその確保を考えるのが良いでしょう。

「相続税対策には、借金をしたほうが得」

借入金は、相続税の計算において「債務控除」としてプラスの財産から差引くことができます。その結果、課税価格が少なくなり納税額が減少します。

債務控除できるからと言って、借金をしたその金を預金にしておいたのでは、債務と同額の資産が増加するので、節税効果はありません。

借入をすること自体に節税効果があるのではなく、現預金であれ、借入であれ不動産を取得することにより相続財産を圧縮できるところに節税効果があるのです。

現状の資産構成で、納税資金がすでに確保できているという場合には、有効な方法と言えるでしょう。

不動産を購入する場合は、その購入物件の収益性がどのくらい見込めるかというところがポイントです。

借入金で土地付きアパートを購入し相続対策はうまくいったが、入居率が悪く借入金の返済は持ち出しという笑えない話は珍しくありません。

相続税が発生しそうな人は、税負担の軽減を考えるのと同時に納税資金の確保、及び分割しやすい資産への組換え等、資産構成の再検討をしておくと良いでしょう。(執筆者:宮村 昭)

最終更新:5月12日(木)5時32分

マネーの達人