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金沢でアート修学旅行 美大生が企画提案、ガイドも

北國新聞社 5月12日(木)3時32分配信

 金沢美大は、美術工芸の伝統が息づく金沢の「アート」を切り口にした修学旅行の開発に乗り出す。街全体をキャンパスに見立て、学生がガイド役となり、修学旅行生や校外学習生と街歩きする試みで、美大生の目線で「アート」を体感できるコースを提案する。北陸新幹線開業を機に、金沢を旅先に選ぶ石川県外の学校が増えており、中高生のうちから「金沢ファン」を育て、学都金沢の未来を担う学生発掘にもつなげたいと、9月上旬の商品化を目指す。

 「金沢B&Sプログラム」と銘打ち、金沢美大とJTB中部金沢支店が連携して実施する。Bはブラザー(兄)、Sはシスター(姉)の略で、金沢美大生が兄弟、姉妹のように中高生と接して街歩きする。

 修学旅行生に加え、近隣市町の校外学習生も対象として、まずは年間1千人程度の受け入れを目指す計画である。

 同支店によると、国内では、京都の大学が持ち回りで「京都B&Sプログラム」を実施しているが、単独の大学が旅行の開発に取り組むのは初めてとなる。

 金沢21世紀美術館のようなガイドブックに載っている観光名所に加え、路地裏にたたずむ小さな店や町家など学生生活で接する身近な街並みを案内し、伝統工芸の体験学習も盛り込む。大学キャンパスも案内し、「金沢で学び、生活すること」の魅力が伝わるプログラムを作る。

 京都では中学、高校時代に京都を訪れたことをきっかけに大学進学を志した学生が多い。京都市と大学コンソーシアム京都が実施した研究では、京都の大学生のうち、中高生時代に修学旅行で京都を訪れた学生の2人に1人が「大学受験に影響した」と回答した。

 北陸新幹線開業を機に、金沢でも石川県外からの修学旅行生が急増している。全国の中高生が旅行を通じて金沢に魅力を感じてくれれば、大学の進学先として検討したり、再び観光で訪れたいと考えたりする可能性も大きくなる。

 中高生にとっては、年齢の近い大学生と触れ合うことで、将来の進路を考える機会になる。県外出身者が多い金沢美大にとっても学生が金沢への知識を深め、プレゼンテーション力向上が期待できるなど、互いの教育効果も見込んでいる。

 18日、校外学習で金沢を訪れる小松市丸内中の2年生にモニターツアーを実施し、9月上旬にも全国の旅行会社を通じてプログラムを発売する。

 金沢美大の担当者は、金沢21世紀美術館を例に挙げ、「専門知識があると、一つ一つの作品の見方も変わってくる。美大生の知識や感性を生かし、新しい教育旅行を提案したい」と話した。

北國新聞社

最終更新:5月12日(木)3時32分

北國新聞社