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茶畑 イベント盛況 本場の味PR 自転車レーサー 爽快に走れ!! 静岡の産地

日本農業新聞 5月13日(金)12時30分配信

 日本一の茶産地、静岡県で茶畑の間を走る自転車のイベントが盛況だ。茶畑周辺は適度な高低差があって舗装されており、信号もないだけに自転車の走行にはもってこい。大勢が同時に走行できる施設は国内にほとんどなく、中山間地の茶畑道路を貸し切ればレース場に早変わりする。茶畑を巡りながら新茶を味わってもらうことで消費拡大も見込める。15日には島田市と牧之原市の公道を貸し切った初の茶畑レースがある。

  15日のレースは県出身の自転車全日本チャンピオン経験者が監修した全長1.75キロ、高低差20メートルの周回コース。関東や信越などから約150人が参加する予定だ。

 会場づくりなどで協力したのは島田市の農事組合法人・ちゃっきり工房組合長の紅林秀昭さん(61)。2月末、茶畑の地権者50人を集め、説明会を開いたところ「茶畑を自転車で走っている人を良く見掛けるが印象は良い。家族で来てもらえれば、茶の格好のPRになる」と賛同を得られた。

 レース事務局の斉藤寿規さん(57)は「土日の交通量が少ない農業地帯は、時速30キロ以上も出るスポーツ自転車のイベント需要が眠っている」とみる。

 紅林さんは当日、新茶を振る舞い、販売促進につなげたい考え。「自転車が好きな人は健康への意識も高いはず。産地で茶を味わってもらい消費の裾野を広げたい」と期待する。

 二番茶の時期に当たる6月5日には、牧之原市観光協会が「グリーンティー・カップ」を開く。チェックポイント100カ所を、携帯電話の衛星利用測位システム(GPS)を使い、巡った数や距離を競う世界初の試み。チェックポイントはJAハイナンのファーマーズマーケット「ほうせん館」や「天空の茶畑」、茶畑の坂道、茶販売店など関連スポットは多数。茶やスイーツのおもてなしもある。同協会は「コースはなく興味のある所を自由に走ってもらい、産地を感じてほしい」とPRする。

 台湾や北海道などから参加者がやって来る催しもある。掛川、磐田、袋井、菊川、御前崎の5市と森町の観光協会でつくる「静岡遠州観光ネットワーク」は4月下旬、自転車で巡る2日間のイベントを開催。40~94キロの8コースに茶畑を組み込んだ。2011年から毎年3月に開いていたが「一番きれいな茶畑を見てほしい」と昨年から4月に変更、今年初めて定員(延べ260人)に達した。

 北海道から参加した原文宏さん(60)は「北海道には茶畑がなく、緑茶を飲むこともあまりなかったが、静岡で茶のうまさを知り、今では夏の冷茶が定番」とすっかり茶に魅了された。

 イベント立ち上げに携わった掛川市の佐藤雄一さん(53)は「自転車愛好家は、景色や空気を感じながら地域の文化や食に関心がある人が多い。農村と自転車は相性が良く、イベントに向いている」と指摘、農村に新たな可能性を見いだす。(立石寧彦)

日本農業新聞

最終更新:5月13日(金)12時30分

日本農業新聞