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藤巻亮太 アルピニスト・野口健との登山で苦しかった自分に気付いた/インタビュー3

エキサイトミュージック 5月14日(土)13時15分配信

 
■藤巻亮太/配信 Single『go my way』インタビュー全文(3/3)



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すべての感覚が研ぎ澄まされていく

――アルピニストの野口健さんと一緒に登山されたり、秘境を旅されたりして、人間という存在を超えた大自然と接する中で、言葉ではなく、カンだとか気配だとか、そういうものに対する感覚が鋭利になった部分はありますか?

藤巻:あると思いますよ、きっと。本当に非日常だったので。非日常に身を置くと、日常の自分と精神的に大きな距離ができるから、ものすごく自分を客観的に見られるし、癒されるんだと思うんですよ。日常というのは“重力”が強いですから、それに引っ張られて、「ソロとして頑張らなければいけない」と思い込んでいたのも自分自身だし、いつの間にか心に仕切りをつくって狭い方向に行っていた……そんな自分をすごく客観的に見ることができて、「あ、これは苦しいわ」と。そう気付けたのは登山の経験が大きいし、それを消していくことが、救いとか癒しとか、さっき言った回復とも繋がっていって。「音楽は、それをできる力を持っている」ということにもう一回気付くというかね。

――ちなみに、登山中に音楽を聴く環境はあったのですか?

藤巻:あまり聴かなかったかな? 野口健さんがよくしゃべっていたので(笑)。何も考えずにただただ歩く。これが一番癒されましたね。10日ぐらいひたすら歩いていると、何にも考えなくなる。考えると疲れるんだけど、「考えるな」と言われても難しいですよね?  自動的に考えてしまうから。考えている以上、脳ミソが疲れるんですよね。でも、山を10日ぐらい歩き続けていると、考えない時間が長くなって、それですごく癒されるんだと思う。瞑想に近いんじゃないかな?と思いました。

――アクティブな座禅みたいな感じなんでしょうか?

藤巻:そう思いますね。すべての感覚が研ぎ澄まされていくんだけど、それについてはいちいち考えないというかね。そういうスペシャルな時間を持てたことが、『日々日是好日』というアルバムなどを作る上でのヒントになったと思います。野口さんとは、「また行こうよ」と話していて、着々と計画は練っているんですよ。


中途半端でダサい自分が二十歳ぐらいまではコンプレックスでした

――アニメの視聴者層には若い方も多いかと思いますが、そういう世代のリスナーに向けて特にこの曲で伝えたいのはどんなことですか?

藤巻:悩むことも多いと思うんだけど、やっぱり、昨日までの自分が今の僕を作ってるわけだから、いろんなことを否定しないのがいいんじゃないですかね? 自分らしさ、自分が本当にやりたいこと、自分が進むべき道も、たぶんその中にあるだろうし。自分を丸ごと受け入れられるとラクになって、一気に前に進めて、夢に近付くこともあると思うので。そんなふうに聴いてもらえたらうれしいですね。僕もそんなことを悩みながら作った曲だったので、なおさら。

――藤巻さんご自身は学生時代、どんなことで思い悩んでいましたか?

藤巻:やりたいことがないとか、何をやっても続かないとか、すごく中途半端でダサい自分が二十歳ぐらいまではコンプレックスでしたね(笑)。まあ、それが起爆剤となって音楽に向かっていくんですけど。音楽って、「それでもいいじゃん、生きてるんだから!」と、そんな自分を肯定できるから。でも、音楽じゃなくても何か自分を表現できるものというのは、そういう内にこもって淀みそうなエネルギーを外向きに変えてくれると思うからすごく大事な気はしますよね。

――悩みはお友達に相談なさいましたか? それとも自分一人で抱えていましたか?

藤巻:(前田)啓介(レミオロメンのベーシスト)とはよく飲みながら、「こんなことをやりたいよね!」というお互いの夢や、「こういうことで悩んでるんだよね」という話をしましたね。解決方法は見つからなくても、そうやって本音で話せるとラクになったし、「あ、俺だけじゃないんだな」と思えたし。僕がこの「go my way」に関して思うのは、悩んでることも含めて丸ごと自分だから、自分を大事にしてあげたほうがいいということ。自分を否定するとやっぱりすごくつらいじゃないですか? だから、自分をまずは肯定してあげるということが<昨日までの自分を抱きしめて>という言葉になっていくし、それができると、何か追い越していけるような気もするし。まずは自分を大事にしてあげるということがすごく大事なのかな?って。この曲ではそんな想いを歌っています。

――ツアーは既にスタートしている状況ですが、5月27日(金)のZepp Tokyoで開催されるファイナルに向けて、どんなふうに進んでいきたいですか?

藤巻:今は3人だけで回っていて、ピアノとギター(バイオリン兼任)と僕という少人数の編成なんですけど、すごく楽しくて。『日日是好日』というアルバムの世界観が出来てきて、完成度がどんどん上がってきているので、音楽的なツアーが回れているなと感じます。5月20日(金)の大阪・シアターBRAVA!公演からはドラムとベースが加わるんですけど、そこで更にスケールアップするためにも、今は3人でいろんなアイディアを出して行っていて。だから、大阪、名古屋(5月21日・土/クラブクアトロ)、東京はライブ感が更に増すと思いますよ。【藤巻亮太TOUR 2016~春祭編~】と銘打っているんですけど、音楽ってお祭りみたいなところがあるから、皆でいいエネルギーを放出して、グッド・バイブレーションを起こしたいんですよね。疲れなんかもフッ飛ばして、また元気になっていく、そんなライブにしたいと思っているので、バンド編成でのラスト3本も楽しみにしていてほしいな、と思います!

最終更新:5月15日(日)13時0分

エキサイトミュージック