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サブローからは「もっと長く」のリクエスト ロッテ名物アナウンス誕生秘話

Full-Count 5月14日(土)10時49分配信

野球に携わる仕事がしたい―、独学で学んだ場内アナウンス

 透き通る声で語尾が伸びる独特のスタジアムアナウンス。ロッテのアナウンスは、QVCマリンフィールドの名物にもなっている。スタジアムアナウンサーを務める谷保恵美さんは、どのような経緯でアナウンスの仕事をはじめ、今のスタイルにたどり着いたのだろうか。

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 野球が好きだった谷保さんは、高校・大学と野球部のマネージャーだった。そして大学のリーグ戦で初めて、アナウンスの仕事をする。

「大学卒業後も野球に携わる仕事がしたいと思っていましたが、当時は男性が多い世界で、女性が活躍している仕事はスタジアムアナウンスくらいしかありませんでした。それでも、野球が好きだし、声を出すことも好きなので、いろいろなところに電話をかけて、仕事があるかを問い合わせました」

 そして、当時のロッテオリオンズでの仕事が決まり、北海道から上京する。入社して最初の2年間は経理の仕事を担当。そのあと、2軍の場内アナウンスを経て、1軍の試合で場内アナウンスをするようになった。

「他の球場では先輩に教えてもらいますが、私の場合は長く担当していた先輩が辞めた後だったので、独学で学びました。仕事が終わった後に、東京ドームや神宮球場、横浜スタジアムに通い『こういう時はこうやってアナウンスするんだ』と勉強していました」

逆転本塁打に興奮、マイクの線を抜いてしまったことも

 正確に、そして明るく伝えることを常に念頭に置き、試行錯誤しながら今のスタイルにたどり着いた。語尾が長めになったのは90年代後半、選手に登場曲が付いてからだ。

「私も曲に乗って長くなりました。サブロー選手からは『もっと長く』とリクエストもありました」

 明るく伝えるために、アナウンスをするときは暗い気持ちでいないように心がけている。

「困ったこと、つらいことがあっても、マイクの前では明るくいるように心がけています。ナイターの次の日のデーゲームなど、睡眠時間が短くなってしまったときは、海浜幕張駅からマリンフィールドまで、歌を歌いながら来ることもあります」

 よく聞いているのはK-POP。中でもお気に入りのBEASTやCNBLUEの曲を歌いながら、気持ちを切り替えている。

 スタジアムアナウンスを担当して今年で26年目になるが、今まで試合を休んだことは一度もない。風邪をひかないように、うがいをするなど予防を徹底して、体調管理に気を使っている。26年間の中で失敗してしまったことを聞いてみると、明るく前向きな谷保さんらしい答えが返ってきた。

「逆転ホームランの時、興奮のあまり自分の足でマイクの線を抜いていたことがありました。今は冷静にやっていますよ」

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最終更新:5月14日(土)11時37分

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