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米政界の重鎮が「ジャップ」発言 蘇る強制収容の記憶、アジア系団体は撤回要求

BuzzFeed Japan 5月15日(日)10時45分配信

日本人を馬鹿にしたり、米軍を撤退させると言ったり。共和党大統領候補になるドナルド・トランプ氏の日本に関する発言が話題となる中、今度は共和党重鎮が日本人を侮辱する差別語「ジャップ」を口にした。アジア系団体などが反発している。

テレビ番組で

アメリカの安全保障問題の重鎮、共和党のピーター・キング下院議員は5月6日(現地時間)、MSNBCのテレビ番組「モーニング・ジョー」に登場。日本に関する安全保障政策を巡って、トランプ氏とは考えが相容れないと表明した。

「私が最も気にかけるのは国防と安全保障であり、彼の見解には問題を感じる」と述べた後に、ジャップ発言は飛び出した。

「深く考えられたのか分からないが、バーの端にいる男がこう言うようなもんです。『この野郎、爆弾落としちまえ、やっちまえ、撤退させろ、母国に帰らせろ。なんでジャップのために払うんだ、韓国人に払うんだ』って」

「ジャップ」という言葉は1941年、日本軍による真珠湾攻撃の後に日本人を侮蔑する言葉として広く使われた。とくに強制収容所に送られた日系アメリカ人にとっては、辛い記憶を蘇らせる差別的発言になる。

相次ぐ批判

米紙ザ・ヒルに対して、連邦議会アジア太平洋議員幹部会の議長を務める民主党のジュディ・チュー下院議員は「Jワードを使うことは最低であり、暴力や外国人嫌悪、日系アメリカ人の収容が日常的だった恥ずべき時代を思い起こさせる」という声明を出した。

「キング氏はこの人種差別発言を前世紀のものとし、日系アメリカ人コミュニティーに謝るべきだ」

「在米イスラム改善協会」(CAIR)は「謝罪し、どのような国や民族、少数派のグループを指しても侮蔑的な言葉を今後は使わないことを求める」と声明を出した。

謝罪を否定

だが、キング議員は謝罪を否定。米メディアNewsmaxにこんな声明を出した。

「トランプ氏の選挙応援をしない理由を述べた文脈での発言だ。日韓に米軍は駐留し続けるべきであり、『バーの端にいる男』のような候補者は思慮を欠くし、無分別に反日本人的だ、と批判していたのだ」

「わたしが偏見や無知を風刺し、批判しているときのコメントを、反日本人的や反アジア人的だと位置付けるのは知的不誠実だ」

米紙ザ・ヒルにも、こう話した。

「分かりやすくするために使ったんだし、もう一度だって使いますよ。もし誰かが『バーの端にいるミック』と言いたいとしたって、私は不快に思わないです」
ミックはアイルランド人を馬鹿にする言葉で、本人はアイルランド系移民の子孫だ。

日本人にとって非常に侮蔑的な言葉だとの指摘には、「ポリティカリー・コレクト(公正)を気にしすぎている。過度に敏感にならないようにしたいね」と言い放った。

再反論

これに対し、 「アジア系アメリカ人の法的防衛と教育基金」(AALDEF)はこうツイートした。

「これはポリティカル・コレクトネス(公正)の問題じゃない。『ジャップ』は人種差別的中傷だ」

最終更新:5月15日(日)10時45分

BuzzFeed Japan