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上海株 軟調なスタートか 冴えない経済指標を受けて経済減速懸念が再燃か

ZUU online 5月16日(月)17時20分配信

■先週の中国株式市場

 上海株 大幅続落 冴えない貿易統計や権威筋の発言などが重石に

◆先週の概況

先週の中国株式市場は大幅に下落しました。上海総合指数が週間で3%近い下げとなったほか、ハンセン指数も2%近く下落しています。

中国の4月の冴えない貿易統計を受けて売りが先行し節目の2,900ポイントを割り込んでのスタートとなった上海総合指数は、その後一旦と反発したものの上値が伸び悩むと、週後半は軟調な展開となりました。

■香港ハンセン指数採用銘柄 週間騰落率ランキング

◆上昇

ハンセン指数の構成銘柄のうち週間で上昇したのは50銘柄中9銘柄にとどまりました。そのなかで上昇が目立ったのが小売りのベレインターナショナル (百麗国際・01880)で、値ごろ感から押し目買いが入り週間で8%近く上昇しました。

そのほか投資先の音楽配信会社が米国での新規株式公開(IPO)を計画していること報じられたことでインターネット大手のテンセント (騰訊控股・00700)が週間で1%値上がりしています。また、食品のチャイナリソービアー (華潤ヒ酒・00291)やティンイー (康師傅・00322)といったディフェンシッブ銘柄の一角も堅調でした。

◆下落

外資系証券が投資判断を引き下げたことを受けてパソコン大手のレノボグループ(聯想集団・00992)が大きく売られ週間で12%近く下落したほか、同じく外資系証券の投資判断を引き下げでシェンホアエネルギー (神華能源・01088)も6%近い下げとなりました。

また、中国の4月の輸出と輸入の伸び鈍化を受けて商社のリーアンドフン(利豊・00494)が6%超下落しました。さらに米国の利上げに関する要人発言を受けて6月の利上げ観測が再燃し、ヘンダーソンランド(恒基不動産・00012)やサンフンカイプロパティーズ (新鴻基不動産・00016)といった香港系の不動産株が大幅に値下がりしています。

■先週発表された主な経済指標

5月8日 中国貿易収支 4月 +455.6億ドル 市場予想 +400億ドル 前回 +298.6 億ドル
輸出 4月 -1.8% 市場予想 +0.0%、前回 +11.5%
輸入 4月 -10.9% 市場予想 -4%、前回 -7.6%

4月の中国の輸出は前年比1.8%減、輸入は前年比10.9%減となり、ともに市場予想を下回りました。その結果4月の貿易収支は前月から黒字額が大幅に増加し、455.6億ドルの黒字となりました。

輸出については各地域向けの輸出が軒並み減少傾向にありますが、なかでもアジア向け及び日本向けの輸出の減少が目立っています。また、輸入の減少率が大きくなったのは中国の内需の改善が依然として力不足であることを示しています。

◆5月10日 消費者物価指数(CPI、前年比) 4月 +2.3% 市場予想 +2.3%、前回 +2.3%

4月のCPIは前年比2.3%増となり市場予想と一致しました。豚肉(前年比33.5%)などの値上がりが目立っています。

◆5月10日 生産者物価(PPI、前年比) 4月 -3.4% 市場予想 -3.7%、前回 -4.3%

原油をはじめとする原材料価格が大幅に上昇したことを受けて、4月のPPI は前年比3.4%減と減少幅が前月から大きく縮小し市場予想を上回りました。

◆5月13日 マネーサプライM2(前年比) 4月 +12.8% 市場予想 +13.5%、前回 +13.4%

4月のマネーサプライM2は前年比12.8%増加したものの、市場予想は下回っています。また、4月の人民元建て貸付残高増加額は5556億元と前月から大きく減少しています。市場予想も下回ってクレジットの収縮傾向が窺えます。

◆5月14日 固定資産投資(前年比) 4月 +10.5% 市場予想 +11.0%、前回 +10.7%

4月の固定資産投資額は前年比10.5%増と前月から小幅に悪化し市場予想を下回りました。

◆5月14日 鉱工業生産(前年比) 4月 +6.0% 市場予想 +6.5%、前回 +6.8%

3月の鉱工業生産は6.0%増と市場予想を下回り、伸び率が3月の6.8%増から縮小しました。

■今後発表される主な経済指標

重要な経済指標発表は特にありません。

■マーケットビュー

◆上海株 軟調なスタートか 冴えない経済指標を受けて経済減速懸念が再燃か

先週の上海総合指数は4週続落となりました。4月の輸入と輸出が市場予想に届かなかったことを受けて大幅に下落し節目の2,900ポイントを割り込んでのスタートとなった上海総合指数は、その後一旦反発したものの、権威筋の発言を受けて金融緩和期待が後退したことなどから上値が伸び悩むと、週後半は軟調な展開となり一時2,800ポイントを割り込む場面もみられました。結局、上海総合指数は週間で3%近い下落となっています。

先週のハンセン指数は3週続落となりました。米国株高と原油価格の上昇が好感され買いが先行したハンセン指数ですが、本土市場の冴えない動向や中国の権威筋の発言などを受けて12日には節目の2万ポイントを割り込みました。ハンセン指数は週間で2%近い下落となっています。

今週の上海総合指数とハンセン指数はともに軟調なスタートとなりそうです。先週末に発表された主要経済指標が軒並み市場予想に届かず伸び率が鈍化したことから、中国の経済減速懸念が再燃しそうです。

また、2016年1-3月期の香港の域内総生産(GDP)の伸びが前四半期から大きく鈍化したことや、今週から本土市場で45社の大株主による保有株(5月13日時点、計1024.05億元)の売却が解禁されることも相場の重石となりそうです。

しかし、上海総合指数が先週までの4週間で8%を超す下げとなっているほか、ハンセン指数も3週間で8%余り下落していることから売り一巡後には自立反発も期待できそうです。

なお、香港市場では18日にインターネット大手のテンセント (騰訊控股・00700)が、19日にパソコン大手のレノボグループ (聯想集団・00992)が決算発表を予定しています。

林宇川(TonyLin)
マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部

最終更新:5月16日(月)17時20分

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