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社説[キングス4度目V]歴史に名を刻む快挙だ

沖縄タイムス 5月17日(火)5時0分配信

 地元チームが国内スポーツ界の頂点に立つことで地域の人たちに与える誇りや元気、自信は計り知れない。スポーツには不思議な力がある。
 プロバスケットボールTKbjリーグの決勝戦は15日、東京有明コロシアムで行われた。西地区優勝の琉球ゴールデンキングスが東地区優勝の富山グラウジーズを86-74で破り、日本一に輝いた。
 2シーズンぶり4度目の日本一だ。昨シーズンまで3チームが並んでいたが、単独最多を成し遂げた。キングスの強さを証明するものだ。
 bjリーグは今秋、ナショナルリーグ(NBL)と統合し、「Bリーグ」としてスタートする。キングスは文字通り有終の美を飾り、bjリーグの歴史にその名を刻んだ。快挙を共に喜びたい。
 伊佐勉監督が今シーズン目標にしたのは「ボールと人が動き続ける」バスケットボールである。コートに出たら全員が最初から最後まで足を止めることなく動き回る機動力である。相手チームは後半になるとスピードについていけなくなる。
 このバスケットボールが最後の2試合で理想的な形でできた、と伊佐監督は胸を張る。決勝戦では富山が試合の最終盤でキングスの動きについてこられなかった。
 前日の西地区決勝戦では、レギュラーシーズンで最高勝率をマークし1位で上がってきた京都ハンナリーズをまったく寄せ付けなかった。キングスは終始主導権を握り、攻守で圧倒した。
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 bjリーグは2005年に発足した。「地域密着」「バスケットボールをエンターテインメントに」がキーワードだ。07年から参加したキングスはその成功例である。
 キングスの合言葉は「沖縄をもっと元気に!」。多くの地元企業が「オフィシャルパートナー」や「サポートカンパニー」として支えており、まさに地域密着だ。
 地元選手が多いのも特徴だ。登録選手11人のうち岸本隆一主将はじめ5人がチームを引っ張っている。子どものあこがれの的が地元選手だと裾野がさらに広がる。ファンが増える要因にもなる。
 米プロバスケットボール、NBAを思わせるようなショーアップはファンを楽しませることを第一に考えてのことだ。選手が音楽に合わせスポットライトを浴びながら入場する姿は異次元空間にいるようで魅力的だ。1試合の観客動員数3千人以上、年間来場者数10万人超など、リーグトップ級の集客数がキングスの支持を裏付けている。
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 ホームタウンとなる沖縄市は「スポーツコンベンションシティ宣言」をしており、19年度の完成を目指し1万人規模の多目的アリーナの建設計画を進めている。地域密着は街づくりとも密接に関わっており、キングスは観客数をもっと増やしたい考えだ。
 「Bリーグ」でキングスはすでに1部入りを決めている。実業団中心のNBLとの競技レベルの差を懸念する声があるのも事実である。
 キングスにはbjリーグの「王者」としてBリーグに新風を吹き込んでほしい。

最終更新:5月17日(火)5時0分

沖縄タイムス