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バブリシャスの販売終了に見るお菓子業界の明暗

BuzzFeed Japan 5月17日(火)6時50分配信

風船を膨らませて楽しむガム、バブリシャスが2016年3月をもって販売終了したことがわかった。本製品は1979年に日本に上陸し、小学生とその親の層に向けて販売された。BuzzFeedの取材に対し、販売元のモンデリーズ・ジャパンは「売上の約70%を占めるパワーブランドであるクロレッツ、リカルデント、ストライドの3製品に注力すべく、バブリシャスの販売終了を決定しました」と応えた。なお、再販は「現状予定はない」とのこと。

実は、国内ではここ数年「ガム離れ」が進んでいると言われいてるのだ。【BuzzFeed Japan / 嘉島唯】

■じわりじわりと進む「ガム離れ」

日本チューインガム協会によると、販売額は2004年の1881億円をピークに下がり続け、2014年には1150億円。10年間で40%も売上額が下がっている。一方で、お菓子業界全体は、2年連続「伸び」を見せている。

全国菓子卸商業組合連合会と全日本菓子協会によって運営される、e-お菓子ねっとによると、菓子業界全体は原材料の高騰などの懸念があったものの、2年連続で生産数量、生産金額、小売金額ともに前年を上回る結果になった。

右は、主要品目の過去5年の販売額の推移を表したもの。チョコレートが20%伸ばしているのに対し、チューインガムはマイナス28%。いったい何が起きたのか。

■明暗を分けた理由――美味しいだけじゃダメ?

何が明暗を分けたのか? ひとつ挙げられるのが「機能性」だろう。例えば、チョコレートはこのトレンドに上手く乗ったと言える。e-お菓子ねっとは、チョコレート市場の躍進を、「健康効果の浸透によるもの」としている。カカオの含有量が70%以上で、美容や老化防止などの効果を謳う「ハイカカオチョコ」などがこれにあたる。

ガム市場はどうか。キシリトールを配合した一部の機能性ガムは健闘している。調査会社の富士経済によると、売上高はピーク時より下がっているものの、2015年は歯周病予防トクホなどの新製品の登場によって、わずかに増加で着地する見込みだという。

バブリシャスを販売終了するモンデリーズも、若年層向けには「リカルデント キッズガム」に注力する方針だ。

しかし、それでもガム市場の縮小を止められない。なぜか。


■ガムに忍び寄る、新興勢力

ガム市場が縮小傾向にある理由は多く語られる。震災以降、自動車で遠方に行く機会が減り、それと比例するように消費が落ちたという意見や、スマホ利用がガムを遠ざけるという意見もある。

そんな中、販売量推移を比べると「口中清涼菓子」が、まさにガム市場に食い込んでいることがわかる。口中清涼菓子は、「フリスク」「ミンティア」などの錠菓やラムネ類だ。これらは、ミントフレーバーをメインとしており、これまでガムが担っていたもう1つの機能である「気分転換」の役割を果たす。ガムよりも香りや刺激が強く、瞬間的にリフレッシュができる上、廃棄がでない手軽さがある。最近では、ガムのように長時間口の中で楽しめる「大粒」タイプも販売されており、その勢いは増すばかりだ。

これらのデータが示すのは、お菓子が嗜好品から実用品になりつつあることだろう。気軽においしく楽しめる、といった理由だけではもやはファンは獲得するのが困難になりつつある。

わずかに数字を伸ばしている米菓は訪日外国人による需要。ビスケット類はハロウィンなどのイベントが後押しになっているという。”日本らしさ”や”体験性”のような側面が購買に結びついていることを示唆しているようだ。ガムにはそんなカルチャー性もなかった。

幼少期、風船を膨らましては楽しんだバブリシャスガムの販売終了は、見えざる市場の流れを表しているのかもしれない。

最終更新:5月17日(火)6時50分

BuzzFeed Japan