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空き家を生かす「民泊」 あちこちで

ニュースソクラ 5月17日(火)10時20分配信

古民家や地方の空家で

 空き家を民泊などの宿泊施設として活用する動きが広がっている。「空き家」「都市部の宿泊施設不足」という近年注目が集まる二つの問題の解決を図る新たな可能性として期待される。

 リノベーション事業などを行っているエイムズ(東京都渋谷区、共同代表取締役:松島 力/板坂 宜昭氏)は、空室を民泊用に改築したうえで、民泊の運営代行を行う「リノ民泊」を今春から開始した。

 不動産流通事業などを行うハウスドゥ(東京都千代田区・代表取締役社長:安藤正弘氏)も、空き家・空き室を借上げ、リノベーションしたうえで、賃貸や民泊として活用するサービス「空部屋Do!」をスタートさせている。

 全国で空き家管理サービス・活用コンサルティングを行うNPO法人 空家・空地管理センター(埼玉県所沢市・代表理事:上田真一氏)は、北斗ソリューションズ(東京都新宿区・代表取締役:上田真一氏)と協力して、空き家活用サービス「AKARI(あかり)」の提案を行っている。北斗ソリューションズが空き家を3~7年間借上げ、300万円程度の設備投資を行った上で、賃貸や民泊などとしてサブリースする。

 北斗ソリューションズが空き家の改修費を負担するため、空き家所有者は、空き家活用の大きなハードルとなっている初期コストを負担せず空き家の活用を図れる。また、北斗ソリューションズは固定資産税と都市計画税を合計した金額を空き家所有者に借上げ家賃として支払うため、空き家所有者は空き家の保有コストをゼロにできる。

 「AKARI」の仕組みを使った空き家活用の第一弾「AKARI三鷹」が今春、東京都三鷹市でスタートした。今回は賃貸戸建として活用したが、古民家などの特徴がある空き家については、民泊としての活用にも意欲を持っている。現在、東京都練馬区や埼玉県所沢市などで検討している案件が数件あるという。

 空き家の民泊化を行った際には、ネットを通じた宿泊予約や運営についても手掛けていくことを検討している。ちなみに、「AKARI三鷹」では、空き家に興味のある近隣住民が空き家のリノベーションに参加するイベントや、工事終了後のお披露目会「空き家開き」を行っている。

 空き家や民泊については、近隣住民に与える不安も大きい。イベントを開くことで、地域住民の不安解消につながる効果もありそうだ。

 一方、空き家活用が難しいと言われている地方の空き家を宿泊施設化しようとする取組みも出てきている。「レトロな味わい」「願望GOOD」など、独自の価値観で賃貸住宅を紹介するWEBサイト「東京R不動産」の運営などを行うR不動産・スピーク(東京都渋谷区)は、地方の空き家を借り受け改修して宿泊施設化する事業を開始した。

 自治体や地域の不動産事業者、地域おこし協力隊などと連携するなどし、宿泊施設化できそうな空き家を探し、オーナーと賃貸契約を結ぶ。その上で、旅館業法の「簡易宿所」の基準に適合するように、地域の環境にテイストを合わせ、元の建物の特徴を活かすかたちで改修を施す考え。改修資金については、400万円から500万円程度を念頭に置いているが、クラウドファンディングも活用していく。

 千葉敬介マネージャーは「旅のスタイルを変えて、地域を活性化させていきたいと思ったのが発端。日本では、パッケージツアーで観光地を旅行するのが一般的だが、観光地ではないが風景や人が素敵な場所を旅できる機会を作りたいと思った。しかし、そういったところには良い宿泊施設がないので、空き家を改修し宿泊施設にしていきたい」と話す。

 また、R不動産では自治体とも連携しながら、地方移住検討者が一定期間お試し移住する「トライアルステイ」の取組みを実施してきたが、その際に空き家を改修し宿泊施設として提供していた。だが、期間限定であったため、継続的に地方移住検討者が試し住みできる宿泊施設を提供したいという思いもあるという。

 宿泊施設の予約サイト「HOWSETAY(ハウステイ)」も開設した。R不動産が空き家の宿泊施設化を行ったものだけでなく、R不動産が紹介したいと思った宿泊施設も掲載していく。ただし、民家を一棟まるごと貸し出すタイプの宿泊施設を対象とする。一棟貸し民家の方がホテルの一室を借りるよりも、周りの環境に入り込んだ宿泊体験ができるからだという。

 例えば、掲載宿泊施設のひとつ、「農家民宿まるつね」は兵庫県朝来市生野町の築90年の古民家を改装した一棟貸切りの宿。周辺には買い物ができる店舗がないほどの場所だが、目の前を流れる小川や、田んぼ、連なる山々を眺めてゆったりとした時間を味わえる。

 年間40棟くらいを目処に掲載件数を増やしていきたい考え。このうち、R不動産が空き家を改修し宿泊施設化するものは10棟くらいを想定している。

 R不動産では宿泊施設の運営も手掛けていく。予約受付については同社が直接行うが、チェックイン、チェックアウト、ベッドメイキング、クリーニングなどについては、地域の人に仕事を委託する。そういった仕組みとすることで、地域に雇用を創出していきたい考えだ。

ハウジング・トリビューン編集部

最終更新:5月17日(火)10時20分

ニュースソクラ

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