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中国、鉄鋼増産に拍車。4月の1日当たり粗鋼、最高の231万4000トン

鉄鋼新聞 5月17日(火)6時0分配信

 中国・国家統計局が14日に発表した同国の4月の鉄鋼生産は、銑鉄が5842万トン(前年同月比2・0%減)、粗鋼は6942万トン(同0・5%増)、鋼材は9668万トン(同0・5%増)だった。銑鉄は前年割れへ転じたものの、1日当たりの粗鋼生産は231万4千トンと、前月比で3万5千トン増え過去最高水準に達した。3~4月に中国鉄鋼市況が急騰し、中国ミルの採算が大幅に改善したことで増産に拍車が掛かったようだ。

 同統計局の数値は後に修正されることがあるが、公表時点ベースでの1日当たり粗鋼生産量を比較すると、2016年4月は14年6月の230万9700トンを超え過去最高となった。
 3月に開かれた全人代後、中国市場では建材関連の買い付けが活発化し、2カ月間で熱延コイルや条鋼類など市況は150ドルほど上昇。急速に販価改善が進み「中国ミルのトン当たりマージンは約500元(約80ドル)にまで改善した」(商社幹部)ことで、河北省をはじめとした華北のミルを中心に休止設備を再稼働する動きが伝えられていた。
 ただ実需が伴わない中での増産に、市況はピークアウトし始めており、今後は増産意欲も低下に向かいそうだ。多数の鉄鋼メーカーが本拠を置く河北省唐山市では4月末から世界園芸博覧会など国際行事が半年ほど行われるため、環境対策で数百万トン分の減産になるとも指摘される。同統計局は鉄鋼や石炭といった過剰能力を抱える業種を念頭に「工業生産の伸びは鈍化しているが、構造調整を果敢に進める」としており、今回の増産が改めて過剰能力問題をクローズアップさせる契機になる可能性がある。
 1~4月累計の鉄鋼生産は、銑鉄が2億2486万トン(前年同期比3・7%減)、粗鋼が2億6142万トン(2・3%減)、鋼材が3億5949万トン(0・2%増)だった。
自動車生産、4月も増加/地場系に陰りも
 鉄鋼以外の4月の経済統計では、自動車生産が220万2千台(前年同月比4・3%増)となり、6カ月連続で前年実績を上回った。小型車への減税効果が続いている形だが「日系など外資系の自動車メーカーは堅調だが、中国地場の民族系メーカーは販売が失速している」(商社幹部)とされ、は行性が見られている。
 4月のコークス生産量は3625万トン(3・4%減)、発電量は4444億キロワット(1・7%減)、金属加工機械の生産台数は7万台(4・3%減)だった。
 1~4月累計では、自動車生産が889万3千台(前年同期比5・5%増)、コークス生産が1億3887万トン(7・6%減)、発電量が1兆7986億キロワット(0・9%増)、金属加工機械の生産が24万台(7・1%減)だった。

最終更新:5月17日(火)6時0分

鉄鋼新聞