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国内対策で攻めへ TPP合意を特集 農業白書

日本農業新聞 5月18日(水)12時30分配信

 政府は17日、2015年度の食料・農業・農村白書(農業白書)を閣議決定した。2月に署名した環太平洋連携協定(TPP)を特集し、農業対策や国内総生産(GDP)引き上げによる経済効果などを解説した。農業が受ける影響への懸念に対しては、国内対策を着実に実行して収益力を高め、攻めの農林水産業への転換を進めていくと明記した。

 特集は「TPP交渉の合意および関連政策」と題し、交渉の経緯から経済効果分析まで幅広く紹介。森山裕農相は同日の閣議後会見で「TPPが農業の将来にとって、どういうことになるのか知っていただきたい」と意義を説明した。

 TPPが農林水産分野に与える影響について、「関税の削減による海外の農林水産物との競争が起きる可能性がある」と指摘。生産額が最大2100億円減少するとした経済効果分析を示し、生産コストの低減や品質向上といった体質強化が必要だと促した。

 これを踏まえて、白書では総合的なTPP関連政策で掲げた政策を「着実に実行していく」と明記。産地の収益力向上や担い手育成、輸出拡大など攻めの農林水産業の推進に力を入れることで、「引き続き生産や農家所得が確保され、国内生産量が維持される」との考えを示した。

 また、白書には初めて重点テーマも設定。食料の潜在的な生産力を示す「食料自給力の動向」など4項目を手厚く取り上げた。

木材自給率 30%台回復森林・林業白書

 同日は15年度の森林・林業白書と水産白書、食育白書も閣議決定した。

 森林・林業白書は、14年の木材自給率が26年ぶりに30%台に回復したと紹介。戦後に整備した人工林が利用期を迎え、国産材の供給量が増えたと説明した。

 一方で、林業者は零細な経営が多く、採算性の悪化もあって生産活動が低下しているとも指摘。林業の成長産業化には、国産材の安定供給体制の整備や需要拡大が必要だと提起した。その具体策として、(1)効率的な作業システム構築やコスト削減(2)優れた経営力を有する林業事業体の育成(3)複数の森林所有者をまとめ、作業の集約化――などを挙げた。

 この他、中層建築にも対応できる新建材・直交集成板(CLT)や、木質耐火部材などの開発・普及に取り組むとした。

日本農業新聞

最終更新:5月18日(水)12時30分

日本農業新聞

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