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「相続税の還付手続き」はお早めに 具体的方法と注意点

マネーの達人 5月18日(水)5時8分配信

(1) 相続税の還付についての関心が高まっている

平成27年より相続税法が改正され、基礎控除額の引下げにより相続税申告対象者が大幅に増加していると言われています。

これに関連して、「相続税の還付」の関心が高まっています。

これは、過去5年以内に申告した相続税については、内容によっては相続税の還付を受けられるというもので、この制度は以前から存在していましたが、相続税の対象者の増加や納税額の増額に伴い、注目を浴びています。

(2) なぜ相続税の還付が受けられるのか

相続税の申告というと、税理士に依頼するケースが多いと思います。

税理士はプロなのだから、納税者のために正しく申告していると思われがちですが、実は税理士が不慣れで、割高な相続税を納めているということは多々あります。

なぜ不慣れな税理士が多いかというと、年間の相続税の発生件数よりも税理士の数の方が多いためです。

日本では毎年、120万人以上の方が亡くなっていますが、亡くなった人の中で実際に相続税が発生する方は約5万件で、全体の4%ほどと言われています。

一方で現在、日本には約7万人以上の税理士がいますが、申告件数÷税理士登録者数=約0.7件となり、1年間で申告を1件も経験しない税理士が多くいることがわかります。

また税理士といっても、人によって様々な税法ごとの専門知識を持っています。

例えばお医者さんであれば、外科・内科・眼科等の専門があるように、税理士にも専門分野があります。日本の税理士の大半は法人税や所得税を専門にする方が多く、相続について専門知識を有する税理士はまだ少数派かもしれません。

申告経験の少ない税理士に仕事を依頼するということは、手術経験の少ない医者に手術を依頼するようなもので、以前からの付き合いの関係でやむを得ない場合もあると思いますが、納税者からするとあまり良い選択とは言えません。

(3) 還付を受けられる要因とは

還付が認められる理由の多くは、土地の評価によるものです。

土地の評価については、その土地の形状や周囲の状況等の様々な要因を総合的に考慮して、評価額を決定していきます。

しかし実際は、不動産の評価は10人が評価すれば10通りあるとも言われていますが、特に土地についてはその形状や状況は様々であり、評価が他と全く同じということはほとんどありません。

おそらく税務署側も判断に迷うようなケースも多いと思いますが、専門と言われる税理士は、様々な法令や通達、過去の事例や判例を調べて減額要素を探します。

しかし土地の評価については、あまりに解釈を広げて行き過ぎた減額評価を行うと、申告後に税務署から否認される可能性も出てきます。

もし否認された場合は過少申告加算税等が発生し、かえって納税者に迷惑をかけるため、税理士によっては絶対に税務署に否認されないように、安全確実な方法であまり評価を下げずに申告しているケースがあります。

税理士としては決して消極的なわけではなく、遺産分割などで争い事が起こりやすい相続を一度で確実に決着をつけようという意識の表れだと思いますが、納税額だけ見れば結果として高い相続税を納めていることになります。

このような状況から、申告後に他の税理士が申告内容を見たところ、相続税を減額できる要素が見つかり、還付手続きによって税金が事後的に還付される、ということがあるのです。

なお、すでに税務署の税務調査が終わっているような場合はどうでしょうか。

税務調査は追徴課税を狙ってくるため、納税者が有利になるような減額要素は、税務調査ではほとんど教えてもらえません。

逆に言うと、すでに税務調査が終っているということはこれ以上増額になることはないと言えますので、還付を受けやすいとも言えます。

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最終更新:5月18日(水)5時8分

マネーの達人