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「情熱大陸に出た幼なじみに嫉妬」 執拗な情熱を持つマンガ家の挑戦

BuzzFeed Japan 5月19日(木)18時1分配信

日曜日の夜に鳴り響く、葉加瀬太郎のバイオリン。「情熱大陸」に出演することは成功者の証である。

漫画家の宮川サトシさん・37歳は現在、情熱大陸に“上陸したい”と切に願う男をコミカルに描く作品「情熱大陸への執拗な情熱」を連載している。主人公は宮川さん自身だ。

一足早く上陸を果たした幼なじみをひどく妬む、あまりに器の小さな男として描かれているが、本当のところはどんな人物なのだろうか。漫画家になるきっかけから、情熱大陸にかける想いまで、宮川さんの素顔に迫った。【BuzzFeed Japan / 鳴海淳義】

魅力はその短さ、人生がわかる23分間

--実際、情熱大陸はかなりお好きなんですか。

めちゃくちゃ好きです。テレビの外付けハードディスクにひたすら録画を貯めていくんですけど、容量が足りないのでどこかで消さないといけない時が来て、だんだんと間引いていくのがすごく辛い。本当は全部DVDに焼いて保存したいぐらいです。好きな人が出る回は何度も何度も観ます。もう覚えるぐらい。

--魅力というのはどこにあるんですか。

まず短さですね。予告とCMを抜くとだいたい23分ぐらい。たった23分間でその人の人生がわかるというか、わかった気にさせるんですよね。

情熱大陸っていきなり「こんなことをやっている人がいる」みたいな感じで、人物から入っていくんですよ。だから余計なもの抜きで、その人物のインパクトだけを描く。世間でブイブイ言わせている様子だけを観せて去っていく感じがめちゃくちゃクールなんです。

--終わり方も結構唐突ですよね。

そうなんですよ。何かのミッションに立ち向かって失敗して終わることもある。日本画家の方とかも、取材中に完成させなきゃいけない絵を、結局完成させずに終わったりするんですよ。それってすごく人間臭いし、切り取る部分が斬新です。

あれを観るといつも自分も頑張ろうと思うんですよね。NHKの「プロフェッショナル仕事の流儀」はスゲェな~と感心して終わるんですけど、情熱大陸は「お前も頑張れよ」と言われた気になって、すごくやる気が出るんですよね。

--そのやる気というのは、だいたいどれぐらい続くものなんですか。

2時間くらいですね。漫画を描いていると、お話の設計図であるネームが編集者に通らないとだめなんですよ。それが通らなかった時に、僕は1回観るんですよね、情熱大陸を。

特に失敗している人の話を観て、「ああ、この人も落ち込んでいるんだな」とか思うじゃないですか。そうすると、さっきまで自分が大事にしていたネームが急につまらなく見えてくるんです。

「編集者がノーと言う意味もわかるな」と思って、バシッとそれを捨てられる。新規に作り始めるのはけっこうエネルギーがいるんですけど、情熱大陸で2時間分のパワーはもらっていますから。

--まるで麻薬みたいな(笑)

麻薬ですよ。あるいはリポビタンDみたいなものかもしれません。

そういう意味では、よく観るのが「きゃりーぱみゅぱみゅさんの回」ですね。ずっとお人形さんのように、おじさんたちのクリエーションの道具みたいにされてるんだろうなって勝手に思っていたんですけど、実際は全然違った。

本人のアーティスト性がすごく強くて、「こんな若い子でも頑張っているんだから俺もやらなきゃ」みたいに思える。

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最終更新:5月19日(木)18時1分

BuzzFeed Japan