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中国の過剰能力問題、世界11鉄鋼団体が共同歩調。欧米・トルコ・韓国など連名で批判文書

鉄鋼新聞 5月19日(木)6時0分配信

 中国に対し、世界各地の鉄鋼団体が共同で過剰能力問題の是正を働きかける動きが広がりを見せている。17日には欧州や米州、トルコ、韓国の11団体が連名で、先月ベルギーで行われたOECD鉄鋼ハイレベル協議の共同声明に中国が加わらず「失望した」と批判する文書を発表した。中国からの輸入鋼材に危機感を強める欧米の鉄鋼団体が、他地域の団体も引き込むことで圧力を強める狙いがあるようだ。

 各団体が連名で「中国問題」について発表文を出すようになったのは昨年4月から。当初は中国に市場経済地位(MES)を認めることに反対する趣旨で、米国鉄鋼協会(AISI)や欧州鉄鋼協会(ユーロフェル)、カナダスチール製造業連盟(CSPA)、メキシコ鉄鋼産業会議所(CANACERO)、ラテンアメリカ鉄鋼連盟といった欧米8団体によるものだった。
 昨年12月にはブラジル鉄鋼協会とトルコスチール製造業連盟も加わり、中国のMES認定に改めて反対する連名の文書を発表。今月5日には10団体でOECDの共同声明に中国が加わらなかったことを非難した。
 今回、17日に発表された文書は5日と同じ内容だが、新たに韓国鉄鋼協が加わった。韓国は中国のMESを2005年の時点で認めている。年内に認定の是非が決まる欧米の団体とはMESで共闘することはなかったが、OECDにおける中国の姿勢には共同歩調をとった格好だ。
 一方、日本はこうした連名で中国を批判する動きには加わっていない。これら国々と比べ日本市場では中国材の輸入増が限定的なこともあり、各国との仲裁や中国との協力関係を通じて過剰能力問題を是正するよう働き掛けている。硬軟織り交ぜた各国の取り組みが今後も求められそうだ。

最終更新:5月19日(木)6時0分

鉄鋼新聞