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「プロパンガス料金の見直し」で大幅節約 知っておきたい業界特有の4つの罠

マネーの達人 5月19日(木)5時15分配信

電力自由化スタートから数か月

4月から電力自由化がスタートしマスコミから注目されていますが、その割に電力会社を変更する家庭は多くありません。

産経新聞によると、約1か月経った4月22日時点で約74万件しか契約変更をしていません。全家庭のおよそ1%程度のようです。

なぜ盛り上がらないのか?

それはずばり、「変更してもあまり安くならない」からです。

電力会社を変更して電気代が下がる家庭は、全体の30%程度と言われています。その30%というのは、簡単に言うと「たくさん使う家庭」です。世帯人数で言うと4名以上で使用量なら月間300kWh以上。金額にして1万円くらい使っている家庭のようです。

安くなる金額は年間平均で3000~4800円程度、月額でわずか250~400円程度です。これでは、手間暇かけて手続きしたいと思う方があまりいないというのも理解できます。

実は、電力会社の見直しよりもずっと家計の経費節約につながる方法があります。それは、プロパンガス会社の変更です。

プロパンガス会社の変更で平均年間2万8千円も節約できます

2016年2月に行った当協会の調査では、「プロパンガス会社変更を希望する家庭」に対し、「当協会が会員ガス会社を紹介した」結果、月額平均で3496円(削減率では30.9%)の削減が実現しています。

季節変動を考慮した試算でも、年間2万8000円以上の削減が可能になるのです。

これは、電気と比較すると桁違いの削減額です。

「では、インターネットで検索して安いプロパンガス会社を選べばいいのですね?」

という声が聞こえてきそうですが、実は一言で済むほど簡単ではありません。

実際には、プロパンガス業界特有(一般社会では非常識)の慣習がたくさんあるので、「これだけは覚えておいて!」という4点を厳選してお教えします。

優良な会社を選ぶために知っておきたい4つの注意点

■<注意点1>築15年未満では違約金が発生します

一戸建て住宅を新築する際、プロパンガスの配管工事を行います。その工事費用は平均15万円ほどかかります。

その殆どのケースで、ガス会社がかかった費用を負担し、15年間の契約で施主に貸し付けます。これを業界では「無償貸与」と呼んでいます。

施主は新築時の配管費用を支払わずに済みますが、本当の「無償」ではなく、15年間そのガス会社から供給を受けることが条件になります。

結局は契約でしばられているため、15年未満で途中解約すると違約金が発生します。

仮に築8年経ったところでガス会社を変更すると、7万円の違約金を請求されるということです。

■<注意点2>新たなガス会社から変更を拒絶されることがあります

どういうことか例を挙げてご説明します。

仮に現在契約しているガス会社をA社としましょう。

あなたがB社というガス会社を見つけて、「B社に変更したい」と依頼しても、「いや、現在A社と契約しているなら当社では無理です」と拒絶されることが往々にして起こります。

なぜなら、プロパンガス業界は「取引関係がある」、「経営者同士が仲良くしている」など、さまざまな「しがらみ」があると変更を引き受けてくれないという特殊な業界なのです。

前述の例で言うと、ガス会社AとBには何らかの関係があるということになります。

もう少し身近な例で言いますと、あなたがdocomoの携帯を利用していて、auショップに行って「auに変更したい」と言ったら、「当社はauさんとは仲良くしているから無理です」と言われるようなものです。

想像できませんよね。

■<注意点3>ガス価格を開示しているガス会社は殆どありません

「ガス会社なのにガス価格を開示しないって!?」とビックリすると思いますが、それが事実です。

現在、全国には約2万社のガス会社がありますが、ウェブサイト上で価格を開示している会社は10~20社程しかないと思います。

2016年に入り、資源エネルギー庁が主要なガス会社に対して、プロパンガス料金の開示をするよう指導しているので、年内には開示されると思いますが、現状が大きく改善される訳ではありません。

例えば、ある1つのガス会社がウェブサイト上で、基本料金=1,500円、従量単価=450円と公表したとしても、その会社の価格が一本化される訳ではありません。

既存顧客の中には400円も380円も350円も存在することが予想されます。

結局、基本的に自由価格である以上、国とは言え「ウェブサイトに書いてある価格以外で販売してはいけない」とは言えないのです。

■<注意点4>プロパンガス業界は不透明な値上げが横行しています

契約時以外にもプロパンガス会社は、価格改定の際には利用者に供給価格を告知する義務がありますが、値上げする場合、検針表の欄外に小さな字で告知する程度の会社がほとんどです。

中には、事前告知すらせずに勝手な値上げをするプロパンガス会社も多く存在しています。

本当にプロパンガスの原価が上がった場合は仕方ありませんが、そうではない時期に値上がりすることもあります。

本来なら原価が値下がりした場合、ガソリンの店頭価格も下がるようにプロパンガスの価格も値下がりがあって当然ですが、プロパンガス業界ではなかなかそうはなりません。

このように一般のプロパンガス消費者が、さまざまな罠をくぐり抜けて優良なプロパンガス会社に巡り会うためには、正しい知識を身に付ける必要があるのです。

そして、プロパンガス会社を上手に変更すれば大きな成果につながります。(執筆者:鈴木 秀男)

最終更新:5月19日(木)7時47分

マネーの達人