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阪本順治監督「何これ?と言われたくて」

Lmaga.jp 5月19日(木)19時0分配信

映画監督・阪本順治と舞台役者・藤山直美が、16年ぶりにタッグを組んだ映画『団地』が6月4日に公開される。団地に越してきた夫婦が一大騒動に巻き込まれる今作について、阪本監督と藤山直美が19日に大阪市内のホテルで会見をおこなった。

阪本・藤山といえば、福田和子の事件をベースに描いた犯罪映画『顔』の監督と主演の間柄。2000年に公開されるや国内の映画賞を多数受賞、以降、そのコンビによる次作への期待は高かったが、本作まで16年間実現することはなかった。

阪本監督は、「『顔』が最初で最後の、藤山さんとの仕事だと思ってました。公開後は舞台を観させてもらったり、楽屋を訪れたり、岸部一徳さん含めてお食事する機会もありましたけど、お互い異業種としての立場での会話しかなかったんで、(映画製作の)想定はしてなかった。でも去年、スケジュールが空いているのを聞いたとき、なにかやりたいという気持ちになって」と、空白の時間について説明した。

今作は、大阪近郊にある古い団地が舞台。引っ越してきたばかりの山下ヒナ子(藤山)と夫・清治(岸部)の2人は、住民たちの隠しきれない好奇心に晒されながら日々を過ごしていたが、ある日、些細なことで清治がヘソを曲げてしまい「僕は死んだことにしてくれ」と床下に隠れてしまう。夫の姿が団地から消えても、淡々とパートに通い続けるヒナ子に、住民たちの妄想がどんどん膨らみ、そのひとりが思わず口にした「もう殺されてると思う・・・」という言葉から、団地を覆った不安は一気に走り出すことに。

『SF映画』という阪本監督から台本を受け取ったとき、「台本読んで『辞めます』なんて言えませんやん。ついに頭おかしいのがマックス来た(笑)」と思ったという藤山。阪本監督は、「そう言ってもらえるのは、うれしい。藤山さんに渡して、うん、理解できたという台本より、なにこれ?と言われたくて書いたんです。『顔』のときは舞台では絶対できない役柄というのが出発点だったけど、今回はできるだけ遠いところに連れて行きたい。結果、ホントに遠いところに行ったんですけど(笑)」と、笑顔で真意を語った。

出来上がった作品の感想を聞かれた阪本監督は、「難しかったのは頃合い。ユーモア、キテレツなのも含めて、どこまで見せるか。どこで寸止めするか。それを悩みながら、自分で結論つけたのがこの作品。僕らは生みの親で、映画館がゆりかご。育ての親はお客さんだと思っているので。久しぶりのオリジナルで、自分が裸になれたんで。責任あるということでしょうけど、そういう意味で反応は楽しみです」とコメント。映画は6月4日より公開される。

最終更新:5月19日(木)20時49分

Lmaga.jp