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台湾発の人気キャラLAIMOと爽爽猫、日本に進出 作者インタビュー(前)

中央社フォーカス台湾 5月20日(金)12時39分配信

(台北 20日 中央社)これまで海外勢に押されていた台湾のキャラクター市場が近年、若手イラストレーターの活躍によって盛り上がりを見せている。発展を牽引しているのはマレーバクをモデルとした「LAIMO」(ライモ)を生み出したCherng(チェン)さん(26)と癒し系猫のキャラクター「爽爽猫」(ソウソウネコ)の作者SECOND(セカンド)さんだ。中央社は5月上旬、台北市内で2人に創作活動や日本進出について話を聞いた。

◇SNSを中心に人気拡大

ライモとソウソウネコは台湾では若者を中心に高い人気を誇る。チェンさんとセカンドさんはフェイスブックやインスタグラムなどのSNSで積極的に作品を発表。フェイスブックのファン数はチェンさんは104万人、セカンドさんは18万人近くを誇る。近年、さまざまな企業とコラボレーションをしており、昨年はチェンさんとセカンドさん、同じく若手イラストレーターのバイバイチュウチュウさんと合同で大規模な展覧会を開催。さらには日本での商品展開も開始した。

チェンさんはライモを「一目見て可愛いと思われるキャラクターではありません。マレーバク自体もおかしな動物。それをキャラクターにしたのは他のものと違って個性的だから。性格も優しいわけではないです」とばっさり。だがそんな変わり者のキャラクターだからこそ人気に火が付いた。2014年、台北市立動物園に赤ちゃんパンダが生まれ、ニュースでパンダのニュースが多く報道されていた際、チェンさんは「中にはパンダを好きじゃない人もいる」とライモがパンダをいじめるイラストを作成。自身のフェイスブックに掲載すると好評を得た。人とは異なる角度から物事を見た結果、新たな面白さが生まれ、人々の心を引き付けたのだ。

一方のソウソウネコは「優しくてポジティブなキャラクター」(セカンドさん=以下、セ)。大学卒業後に将来何をしようか悩んでいた際に生まれたキャラクターで、自分への励ましのために描かれたとセカンドさんは誕生の経緯を語る。ソウソウネコには右目だけに眉毛がある。それは「夜中にスマホを通じてこっそり人々の悩みを盗んでいるから」。他の人の悩みを集めたからそれがしわのような眉毛になったのだ。「単純に可愛いだけじゃない。いろんなことを考えている」そんなところが好きだとセカンドさんは話す。「ソウソウネコによって、他の人にもパワーを与えられたらそれは素晴らしいことだと思います」(セ)人々に与えるポジティブな効果を期待している。

◇名前の由来

名前の由来にもそれぞれの個性が出ている。ライモのモデルとなっているマレーバクは中国語では「馬来獏」(マーライモー)。ライモの中国語名はそのまま「馬来獏」と名付けられている。ライモは中国語名の後ろ2文字から取られた。なぜ特別な名前を付けなかったのだろうか。「なぜかわからないけれど、私にとって名前を付けることは恥ずかしいことなんです。コアラのキャラクターもいますが、それも同様に動物名の後ろ2文字を取って『ウェイション』と呼んでいます。(コアラの中国語は『無尾熊』(ウーウェイション))あまり名前を付けるのは好きじゃないんです」(チェンさん=以下、チ)

ソウソウネコはというと「ソウソウネコを描いたのは悩みが多い時だったので、楽しい感じがほしかったんです。台湾の人は本当に嬉しい時には『好爽』(サイコー)と言って気持ちを表現したりします。清爽(すがすがしい)、爽快などの言葉にも爽の字が入っています。爽という字はあまり見かけませんし、台湾人っぽくもあります。だから『爽爽猫』と名付けました。日本語ではソウソウネコ、英語ではソンソンミャオといいます。歌っているような、音楽のような感じです。猫が気持ちのいい時にゴロゴロという音を出しますよね。そんなイメージです。みなさんが見た時に気持ちのいい感じを受けてもらえればと思っています」(セ)

二つのキャラクターの性格は正反対だが、共演する機会は多い。これまでには展覧会やクルーズ船、RODYなどとのコラボレーション企画で共演している。「一つはポジティブでもう一つはユーモラス。だから一緒になると様々な火花が生まれるんです」とセカンドさん。作者の個性も正反対で、チェンさんは「僕は描くのが早いけど、セカンドはゆっくりだから、いろいろなことを気付かせてくれます」と2人で一緒に仕事をする楽しみを語る。性格は反対だが、二つのキャラクターはモノクロという共通点も。だからタッグを組んでも調和が取れるのだという。

◇創作活動について

一躍人気イラストレーターとなった2人。小さい頃からイラストレーターを志していたのだろうか。「子供の頃から絵を描くのが好きで、大学では関連の学科に進みました。でも、両親から『画家はお金を稼げない』と言われていて、自分でも趣味でいいと思っていました。ですが、大学在学時にフェイスブックを通じて作品が人気になって、イラストが職業になりました。元々は職業にしようと思っていませんでしたが、周りの後押しなどでこの仕事をするようになりました」(チ)「私もチェンと同様、小さい頃から絵が好きで、私の場合は母親に何も言われなかったので、高校から大学院まですべて芸術を専攻しました。高校や大学の時に絵を仕事にしたいと思うようになり、作品をマスキングテープやシールにしてインターネットやクリエイティブマーケットなどで販売し始めました。高校生の時点で自分の作品で生活費や学費を稼げるようになり、もしかしたらこれを仕事にできるかもしれないと思うようになりました」(セ)

創作活動の主な場所は「僕は家で」(チ)「チェンは家で描くのが好きなんです。可愛い甥や姪がいますから。私は自分だけの空間が好きなのでアトリエを借りています」(セ)

創作に煮詰まったりした際、どういう方法で気分転換をするのだろうか。「私はカフェに行きます。アトリエに一人で一日中いるとつまらない時があるので、朝にカフェに行って、午後には別のカフェに行って。何も描けないときは隣の人の話を盗み聞きしたり。そしてその悩みをイラストにしたりします」(セ)「ずっと家にいて何も描けなかったら海外に遊びに行きますね。ヨーロッパとかアメリカとかではなく、日本や香港など友人がいる近場に」(チ)セカンドさんによると、昨年12カ月のうち、チェンさんが海外に行かなかった月はひと月しかないという。先日は北海道にも旅行に行った。「遊びに行くのが好きなんです。家にいるといつも同じ風景ですが、海外の土地を歩くと面白いことがたくさんあるので、それをメモしています。日本に行くと特にたくさんのインスピレーションが生まれます。面白い商品などがたくさんあって。それを今後の創作の素材にしています」(チ)

(後編に続く)http://goo.gl/DIwwXw

最終更新:5月20日(金)12時39分

中央社フォーカス台湾