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遺伝子操作を行うゲノム編集で卵アレルギーの原因を取り除いたニワトリが誕生

エコノミックニュース 5月20日(金)7時53分配信

 遺伝子操作技術ゲノム編集に新たな開発成功の報告発表が行われた。研究を行ったのは産業技術総合研究所と農業食品産業技術総合研究機構である。内容は卵アレルギーの原因となるオボムコイドを取り除いたニワトリの誕生だ。研究はイギリス科学誌サイエンティフィック・リポーツに掲載された。

 ゲノム編集とは、遺伝子組み換えよりも効率よく正確に遺伝子を改変出来る技術だ。従来の遺伝子組み換えでは、ピンポイントに組み替えるポイントを狙うことは出来なかった。しかしゲノム編集は遺伝子組み換えよりも数千倍高い精度で、遺伝子操作を行うことが可能である。この技術は現在、農水畜産物などの品種改良に期待が寄せられている。

 ニワトリはゲノム編集を行うにあたって、適したタイミングで遺伝子操作をすることが難しかった。そのため、これまではほとんどゲノム編集が使われなかったという背景がある。そんな事情がある中、研究グループは卵アレルギーの原因であるオボムコイドを作り出す遺伝子を持たないニワトリを作り出すことに成功したのだ。

 研究グループが取った方法はこうだ。産卵後から2日経った鶏卵から、ニワトリの精子の基となる始発生殖細胞と呼ばれる遺伝子を取り出す。そこでゲノム編集を行う。これをニワトリの卵に移植し、ふ化をさせる。するとアレルギーを起こす原因であるオボムコイドを持たないニワトリが生まれたという。

 その後、ゲノム編集を行った雄と、行っていない雌を交配させた。その子どもは、父親のようにオボムコイド遺伝子がないという結果が出た。その子どもたちをさらに交配させ、オボムコイド遺伝子を受け継がなかった。

 産業技術総合研究所の大石勲総括主幹は、「今回のような技術を使えば、アレルギーを起こしにくいワクチンや医薬品を、卵を使って作ることが可能になってくると思う」と語っている。また、今後はオボムコイドを受け継がないニワトリが生んだ鶏卵が、アレルギー反応を引き起こす力が低下しているかを再確認すると共に他の性質に影響がないかの解析も進めていくとのことだ。(編集担当:久保田雄城)

Economic News

最終更新:5月20日(金)7時53分

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